研究課題/領域番号 |
23501017
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
桐山 聰 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (70423423)
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研究分担者 |
田畑 博敏 鳥取大学, 大学教育支援機構, 教授 (70128049)
後藤 和雄 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (00140533)
長尾 博暢 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (90454587)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | プロジェクトマネジメント |
研究概要 |
本研究では、学士課程の学生が身につけるべき能力として評価・計画能力に着目し、システマティックな能力育成方法を実現するためのプロジェクトマネジメント手法の構築を目的とする。研究期間を通じて、(1)評価基準・教示方法の設計、(2)評価基準の共有、(3)評価演習、(4)演習結果の評価基準からの乖離度計測、(5)能力評価、(6)評価基準・教示方法の改良、というPDCAサイクルにより教育方法における暗黙知の部分の形式化を行っていく。「学生が傾聴力と読解力を駆使して対象を的確に評価するプロセス」、および「学生による計画立案から評価までのプロセス」のモデル化を行う。 平成23年度は第一段階である傾聴力に着目した取組みであり、学生に計画立案と評価方法に関する基本的教示を行った後、講義やプレゼンテーションに対する聴衆の質問の質を、評価基準を用いて学生に評価させ、担当教員による評価と比較することによって学生の評価能力を評価した。評価能力を計画能力に先立つものと位置づけ、「学生が傾聴力と読解力を駆使して対象を的確に評価するプロセス」の第一次モデル化を行なった。第一次モデルを元に授業設計を行い、平成24年度に新規に3科目を開設することとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、「学生による計画立案から評価までのプロセス」をモデル化し、学生集団の効果的な評価・計画能力の底上げ手法をプロジェクトマネジメントツールとして形式化することを狙いとしている。「学生が傾聴力と読解力を駆使して対象を的確に評価するプロセス」の第一次モデル化ができたことにより、多数の学生を対象とした「評価・計画能力の底上げ」につながるツールの設計に必要なモデル化への目処付けが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度の研究結果を踏まえて、以下の(1)~(3)を実施する。(1)評価能力育成のためのプロジェクトマネジメントツールのプロトタイプ試作(2)計画能力育成のためのプロジェクトマネジメントツールのプロトタイプ試作(3)研究会・学会での情報交換 学生の学習の難易度を上げて、より複雑な評価基準を使用する。評価基準に従った形式でレポートを執筆させる。レポートライティングを一種の計画立案と位置づけて概念の階層化と再構築に思考支援ツール等を使用させる。評価担当教員は、レポートの評価基準への適合度から、学生の評価・計画能力を計測できる。レポートからの計画能力の評価はテキストマイニング等を利用する。計測結果を評価基準の設計にフィードバックして、計測・評価方法、教示方法等のプロジェクトマネジメントツール化を行う。これらは、プロジェクトマネジメント系の既設授業、および平成24年度に新規開設した3科目の中で実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
ものづくり教育を行なっている施設(全国の大学の工学部附属ものづくり系センター)等への調査出張、文献・書籍調査、ならびに研究成果発信のための論文投稿・国内外の学会発表等を予定している。国際学会発表に対しては、英文校正費も計画に含まれる。また、プロジェクトマネジメントツール設計・製作に必要な試料の購入費、実験への協力謝金等も予定している。なお、平成23年度からの繰越金5,976円は、プロジェクトマネジメントツール設計・製作のための予備試験用に消耗品の購入を予定していた分であるが、平成24年度にツール製作に必要な試料と併せて購入することにしたために生じた。
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