本年度札野寛子は、本学で実施している米国ローズ・ハルマン工科大学(RHIT)とのグローバル・エンジニア(GE)育成のための共同パイロットプログラムに参加した本学学生4名が、2012年9月にRHITを訪問した際の研修旅行での参加報告書やインタビューでのデータをもとに、学生の視点から見たGE育成でどのようなカリキュラム内容が適切かを検討し、その成果を日本工学教育協会大会で発表した。また、研究協力者であるRHITのスコット・クラークの協力を得て、日米の国際的に活躍するエンジニア6名にインタビューをして、先輩GEの視点からGE教育の内容についての提言を得る研究をまとめ、KIT Progressに論文として発表した。これらの研究から、英語能力の指導に加えて、日本を含む諸国の文化や社会システム・歴史など一般教養的な幅広い知識の学習、そして対人コミュニケーション技能や異文化理解能力についての体験学習が重要であることが見えてきた。さらに、研究協力者の松石正克は、American Society for Engineering Education大会で上述のRHITとの共同パイロットプログラムの活動についての中間報告となる発表を行った。また東北大学での国際工学教育セミナーでも本学での活動を紹介した。 これらの活動と並行して、筆者らは分担して、東北大学・九州工業大学・芝浦工業大学などを訪問し、GE教育に関する情報収集や研究者交流も継続して実施した。また、松石は米国で開催されたCIEE(Council on International Educational Exchange)国際会議と、京都産業大学・新潟大学・成城大学・福岡工業大学共同主催の「産学協働人材育成フォーラム」に参加し、米国およびASEAN諸国でのグローバルな産学協働教育に関する情報収集を行った。
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