研究課題/領域番号 |
23501031
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
伊藤 敏 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 教授 (80130946)
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研究分担者 |
井上 祥史 岩手大学, 教育学部, 教授 (00211061)
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キーワード | 自然科学教育 / 五感 / 脈波 / 拍動 / USBカメラ / 表計算ソフトウェア |
研究概要 |
本研究では,教材システムが学習者の拍動を脈波として検出し処理して,それを提示することで学習者へ返す.それに基づいて学習者が応答をする形を取る.そのため,研究計画は1.USBカメラ利用の測定システムの開発,2.教材システム構築と実践,3.教材システムの実践による検証 の3項目に分けて実施する. 23年度はUSBカメラ利用の測定システムの開発を行った.24年度は開発した測定システムを用いて中学生,高校生,高校教諭対象に実践授業を行った.実践授業を繰り返すことで,23年度に行った実践では安定した測定ができず、「失敗」する場合があったが、不安定さの原因がUSBカメラ開光口へ指の固定であることを突き止め,USBカメラへの指の固定方法などを明確化することで,安定した測定を可能にした.さらに、測定ソフトウェアのユーザインターフェーイスをブラッシュアップすることで操作性の向上を図った。得られた脈波データを処理・解析する方法では,学習者の学習進度に合わせ,次の3教材を開発した.1.脈波を紙に印刷し,定規で脈波ピーク間隔の計算,2.データを表計算ソフトに取り込んでグラフ化し,目視によるピーク検出,3.数値データから区間最大値,最小値を計算して,自動でピークを検出する手順 など3通りの解析法を教材として作成した.これにより幅広い学習段階で利用が可能になった。さらに、各自が得た脈波のピーク間隔の時系列変化を観測することが可能になった。また,高校教諭対象の実践授業では教材の配布を試み,配布後のサポートより,配布に必要なファイルの効果的選定などを行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
USBカメラによる脈波検出と表示については,プログラムの基本が完成した.データ表示および取り込み解析のアルゴリズムはほぼ変更の必要がない状態まで完成させた.実践で必要とされる条件を整備し,安定した実践が可能な状態を作り出した.複数の解析法を提示することで、脈波のピーク検出が学習者の学習段階に応じて可能になった.一方で,大学生対象の実践が未実施である.
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今後の研究の推進方策 |
24年度に行った実践より整備した教材を使って,大学生および高校生を対象に実践を行い,ユーザインタフェーイスの検討および教材システムの検討を行う.同時にドキュメントの整備を行う.また,開発したプログラムはC#を用いたが,大学生向けにプログラム開発に利用可能なように,他の言語で同等の機能を持つプログラムを開発する. 汎用USBカメラのデータ取り込みのピーク検出解析が教材として確立したので,拍動は一定ではなく,揺らいでいることを示す教材作りを目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
教育実践を行うためにノート型コンピュータおよびプレゼンテーション環境構築のために 本補助金を充てる.他言語での開発環境の整備に本補助金を充てる.得られた成果の発表および公表のために本補助金を充てる.
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