平成23年度、平成24年度は、フランスおよびモロッコのジュラ紀アンモナイト化石産地を調査し、教材となる化石の産出する地層の調査を行い、教材となる化石や映像資料の確保を行った。これらの調査を基に、主にフランス産の化石を使って、ジュラ紀アンモナイト化石の教材化を行い授業実践を行ってきた。またフランスでの調査から、泥岩を主体とする地層が雨によって浸食され、掘りだされた数mm~数10cmの化石が雨水の流路に濃集することと、より大型の化石は露出した部分から断片化し、より小型のものは下位に運ばれることによって、1cm程度の化石が地表面に濃集した産状を示すことが明らかになった。また、母岩中の化石の密度はあまり高くないことも定量的に調査によってわかった。 平成25年度については、モロッコ産ジュラ紀アンモナイト化石を購入し、モロッコ産の化石と映像資料を使って教材の製作をした。さらに、モロッコにおけるジュラ紀アンモナイト産地であるミデルト周辺の産地について確認の調査を行った。モロッコのミデルト周辺の中生代ジュラ紀の露頭でアンモナイト化石が産出する露頭を調べ、フランスと同様の産状であることを確認するとともに、教材で使用するための地層および化石の写真を撮影した。また産出する化石種は共通するものが多いが、産出頻度が大きく異なる種もあることがわかってきた。これらの調査を踏まえて、これまでに作成し教育実践で用いてきたフランス産のジュラ紀アンモナイト化石による教材セットと同様の化石セットをモロッコ産のジュラ紀アンモナイト化石によって作成した。 フランス産のジュラ紀アンモナイトの教材セットについては、岐阜大学教育学部の川上紳一教授と院生竹中諒氏と連携し、教育実践に使用する授業用資料を岐阜大学教育学部のホームページにある理科教材データーベース上からダウンロードできるようにした。
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