河川の堆積物や周辺地形は,従来はすべて流水作用で説明されてきたが,近年の科学研究によって,上流部では土石流の作用が主であることが明らかになってきた。そこで,河川学習に土石流の概念を導入するとともに,流水の作用を実際の流速測定結果に基づいて正しく位置づける内容に転換する研究を行った。異なる地質・地殻変動・気候の地域で発生したさまざまな土石流を分析して,多様性と共通性を踏まえた土石流の学習教材を作成するとともに,土石流のメカニズムを理解するためのモデル実験を考案した。そして,これらを教員を対象にして実践して,有効性を確認した。
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