研究課題/領域番号 |
23501043
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研究機関 | 豊田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
杉浦 藤虎 豊田工業高等専門学校, 電気・電子システム工学科, 教授 (70206407)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 工学教育 / 創造性教育 / 高等専門学校 / 実践教育 / ものづくり |
研究概要 |
現在,本校電気・電子システム工学科では本科5年間と専攻科2年間において独自のPBL実験を行い,学生の創造力や技術力の向上を図っている。一方,班別のアイデア発表会でのプレゼンテーション能力には大きな差が見られる。そこで本研究ではロボカップ世界大会と出前授業を利用したプレゼンテーションおよびリーダーシップ育成教育の実践と関連するテキストの作成を目的として行った。上記目的を達成するため,まず,H22年度に見つかった,サッカーロボットのキックデバイスやドリブルデバイスなどの不具合に対する再設計と改修を行った。また,より正確なシュートやパス,キャッチング,多彩な協調動作等を実現するため,人工知能の全体的な見直しと改良を行った。以上に対する客観的な評価をロボカップ国内および世界大会に参加することで行った。その結果,H23年度ロボカップジャパンオープンサッカー小型リーグ車輪およびヒューマノイド両部門において優勝,同世界大会で4位入賞を果たした。また,世界大会では代表学生による英語プレゼンテーションが行われたが,発表練習はチームメイトの前で行い,英語を交えての活発な意見や質問を行うことを双方に義務づけた。世界大会への参加は,他チームとの交流やプレゼンテーション聴講を通して,英語力の必要性・重要性や英語苦手意識克服への有効性を学生に認識させる効果があったことをアンケート調査で確認した。世界大会参加資格取得用チーム紹介英文とデモンストレーションビデオの作成,さらに前年度ベスト8に入賞したチームに課される詳細な技術紹介論文およびプレゼンテーション資料の作成を行った。英作文はメンバー全員で分担して行い,そのチェックを教員が行い,さらに学生へのフィードバックを繰り返すことで質を高めた。以上の作業はすべて学生が中心となり,プレゼンテーション・リーダーシップ力育成教材(テンプレート)を基に進められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的の一つであるロボカップ世界大会を利用したプレゼンテーションおよびリーダーシップ育成教育の実践について,サッカーロボットおよび人工知能の全体的な見直しと改良,およびロボカップ国内および世界大会に参加しその性能をアピールすることで行った。その上で,世界大会では英語によるプレゼンテーションや他チームとの交流を通して,英語力の必要性・重要性や英語苦手意識克服への有効性を学生に認識させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように,ロボット開発を通した,学生の創造力育成課題の提示は順調に行えている。また英語運用能力の開発にも効果が現れているので現状の取り組み姿勢を継続していく。一方,作製したロボットを用いた出前授業については,H23年度は3件程度に留まったため,H24年度以降もう少し充実させるよう努力したい。そのため,出前授業用に特化したデモンストレーションプログラムの開発,あるいはより発信力のホームページの作製と内容の充実に力を注ぐ予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使途は,物品費として出前授業に必要なプロジェクタやロボットの部材,電子回路部品,バッテリ等を購入する。また,大会への出場するための出張費用および参加費をそれぞれ,旅費,その他の経費として計上する。さらに,ロボットのメンテナンス作業や出前授業に従事する学生への謝金を予定している。
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