研究課題/領域番号 |
23501045
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研究機関 | 大阪府立大学工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中谷 敬子 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60295714)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | キャリア支援 / ワークライフバランス / 女性技術者 / キャリアチェンジ / 仕事と家庭の両立 / 自己理解 / 就労意識 |
研究概要 |
平成23 年度は、若年層のキャリア意識を把握・調査することを目的として,男女の技術者を希望する20才の高専5年生,および,複数の企業の女性技術者を対象としたキャリアを見つめるワークショップを開催した.さらに,キャリア構築過程の聞き取り調査も併せて実施した.特にワークライフバランスについての現状とそのキャリア構築への影響、および、キャリア構築の戦略の特徴を抽出することを目的とした.女性に限らず、若年期から始めた就労を継続していく過程で、ライフステージが変わり、その就労スタイルだけでなく、就労への考え方、興味・関心も移って行くものと思われる。女性の場合は、特に、結婚・出産・育児といったライフイベントの影響を大きく受ける。こうした変化の中で、就労初期の初心を貫こうとすればするほど、自身が理解している自分が求めている目的と、本当に求めている・環境に適応した目的とがずれているために、ワークライフバランスや、メンタルヘルスに支障をきたす例があるものと予想されたが,それに類似した聞き取り結果が得られた.若年層の女性技術者には、ライフイベントが短期間に立て続けに起こるため、キャリア構築に影響を与える影響が、より明確に表れ,ワークショップにおいて,異なる世代間での意見交換でそのヒントや対策が参加者の方から示される事例もあった.聞き取り調査の中では、単なる一方向の情報収集ではなく、技術者の心理の掘り起こしたいとしていたが,申請者からの支援だけでなく,「場」を提供することで,参加者同士で意見交換・情報収集等が行われ,期待以上に能動的な活動が支援できたことは大きな成果であった.今後も長期的に繰り返し実施し、心理的変化、キャリア構築の変遷、ワークライフバランス・メンタルヘルスの状態の変化をモニターする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23 年度は、若年層のキャリア意識を把握・調査することを目的として,男女の技術者を希望する20才の高専5年生,および,複数の企業の女性技術者を対象としたキャリアを見つめるワークショップを開催した.女性に限らず、若年期から始めた就労を継続していく過程で、ライフステージが変わり、その就労スタイルだけでなく、就労への考え方、興味・関心も移って行くものと思われる。女性の場合は、特に、結婚・出産・育児といったライフイベントの影響を大きく受ける。こうした変化の中で、就労初期の初心を貫こうとすればするほど、自身が理解している自分が求めている目的と、本当に求めている・環境に適応した目的とがずれているために、ワークライフバランスや、メンタルヘルスに支障をきたす例があるものと予想されたが,それに類似した聞き取り結果が得られた.若年層の女性技術者には、ライフイベントが短期間に立て続けに起こるため、キャリア構築に影響を与える影響が、より明確に表れ,ワークショップにおいて,異なる世代間での意見交換でそのヒントや対策が参加者の方から示される事例もあった.聞き取り調査の中では、単なる一方向の情報収集ではなく、技術者の心理の掘り起こしたいとしていたが,申請者からの支援だけでなく,「場」を提供することで,参加者同士で意見交換・情報収集等が行われ,期待以上に能動的な活動が支援できたことは大きな成果であった.具体的な実施内容としては,企業で働いている女性技術者のキャリア支援のためのワークショップを6回実施.技術者を志望している20歳代学生対象にキャリア支援ワークショップを2回実施.さらに,詳細な聞き取りを女性技術者に対して実施している.これらの成果を学会にて,研究成果を2件発表し,情報交換を行った.以上の様な理由から,当初の計画以上に進展していると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
平成23 年度は、若年層の技術者のキャリア支援とキャリア意識の現状把握のため,技術者を希望する19~20歳の工業高等専門学校の機械系の男女学生対象,およびび,女性技術者を対象としたキャリア支援のワークショップを実施した.これにより,職業意識,および,ワークライフバランスについての対象者の意識を調査することができた. 今後は,若年層の意識変化を継続的に調査するとともに,ワークショックを定期的に開催することでその支援を行う.申請者と被調査者の信頼関係が深まるにつ入れて,より詳細なキャリアに対する意識を明らかにすることができるものと期待される.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24 年度は、23 年度に行った調査の対象を、若年層から、中堅層、および、それ以降の世代に移して、同様の聞き取り調査を行う。中堅層、および、それ以降の世代では、ワークライフバランスよりも、メンタルヘルスが、キャリア構築により大きな影響を与えると考えられる。また、長いキャリア構築の中で、キャリアチェンジの機会も多くなると予想されるので、その際の本質的な心の動きと、実際の行動との相関、まさその間のギャップについて、詳細に調査する。23 年度と同様に、繰り返し聞き取りを行うことで、若年層とは異なるキャリア構築の特徴の有無について観察する。
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