平成25 年度は、キャリア構築過程に有効な相互サポートの場としての検証プログラムの構築を目指した。当初は、2 年間で得た、女性技術者のキャリア構築における事例・知見をカテゴライズし、データベース化それらを汎化することを想定していたが、女性技術者は、それぞれの所属組織や、自身のプライベートな環境に、キャリア構築プロセスが大きく影響を受けること、また、情報を求める(問題を解決したいと考えている)側の女性技術者のニーズも多様であることが、明らかとなったことから、同様の効果、情報収集が可能となる、情報交換の場を提供し、どのように発達が促進されるかをアンケート調査により解明することとした。情報交換の場である「キャリアカフェ」「キャリアワークショップ」では、意見交換会において、それぞれが、積極的に自身の課題を告白した。その告白を聞いて、それぞれの参加者が、自身の体験を話すという様子が見られた。質問に誘発される形で解決法が示される場面が多いことから、双方向の対面型の場の提供が有効かつ必須であることが明らかとなった。 さらに、継続的な場づくりにつなげるために必要な環境整備とプログラム作りを実施すした。過去2 年間の幅広い世代・キャリア構築の実践と考え方についての女性技術者からの聞き取り調査の研究成果を、統合して整理・分析することにより、世代を越えて共通したキャリアチェンジの基本戦略を明らかにした。また、キャリアチェンジの積み重ねとしてのキャリア構築の際の戦略の妥当性を実証するために、彼らのキャリアチェンジ、又は、キャリア継続への心的な刺激を与えうるワークショップ・プログラムを設計し、検証を行った。 研究成果は、研究会での口頭発表だけでなく、複数の企業の女性研究者が参加したロールモデルカフェ、女性技術者の卵と言える、高専女子学生の継続的なキャリアチームROSEの発足など、多岐にわたった。
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