研究課題/領域番号 |
23501046
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
三木 功次郎 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80259910)
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研究分担者 |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00259912)
北村 誠 奈良工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60341369)
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キーワード | 自己駆動型電量分析 / 酵素 / 電子受容体 / 微生物 / 化学教育 |
研究概要 |
1.自己駆動型電量分析装置によるNADHおよびピルビン酸測定法の開発 平成24年度に作製した自己駆動型クーロメトリー装置を用いて,還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の測定およびその応用としてのピルビン酸測定を試みた。NADH酸化酵素であるジアホラーゼと電子受容体として2,3-ジメトキシ-5-メチル-p -ベンゾキノン(UQ0)を用い,NADHの酸化反応に伴い還元型UQ0が生成することを確認した。この還元型UQ0と[Fe(CN)6]3-の酸化還元電位の差により電池を構成し,自己駆動により流れた電解電流より電気量を求め,NADH量を算出した。ジアホラーゼ反応は最適条件で3分以内に終了し,自己駆動型クーロメトリー装置による測定は約7分であった。得られたNADH量は,吸光度測定によって求めたNADH量とよく一致した。さらに,NAD依存性酵素である乳酸脱水素酵素(LDH)を用いてピルビン酸とNADHを反応させ,残ったNADHを本法で測定した。残存NADH量より求めたピルビン酸量は,既知の吸光度法で得られた値とよく一致した。実サンプルとして日本酒モロミ中に含まれる乳酸を測定したところ,良好な結果が得られた。NAD依存性脱水素酵素は数多くあり,これら酵素を用いた生体成分や食品成分の分析に応用が可能と考えられる。 また,自己クーロメトリーで効率よく電解するために、クーロメトリーの測定溶液に金属ナノ粒子を添加することを考え、水溶性金ナノ粒子を調製した。この金ナノ粒子が微生物細胞へ及ぼす影響についても検討した。 2.実験カリキュラムの検討 これらの研究成果を基に,自己駆動型電量分析装置やバイオ電池を用いた実験カリキュラムに関して,実験実施方法の検討を行った。パン酵母を用いて作製したバイオ電池を使用した実験教室では,パン作りや米麹を用いた実験を同時に行うことで,参加者の理解を深めることができた。
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