研究課題/領域番号 |
23501047
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研究機関 | 津山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐々井 祐二 津山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40235239)
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キーワード | 天文 / インターネット / 公開講座 |
研究概要 |
津山インターネット天文台の整備作業としては、計画調書記載の口径35cmシュミットカセグレン式望遠鏡の換装がある。新型ACF光学系鏡筒に換装し、追尾精度向上のため赤道儀方式とすることを目標としている。換装されたシュミットカセグレン式望遠鏡はそのまま観測室に残し、平成23年度末、校費にて新望遠鏡のため簡易観測室の整備を行い、Meade社LX200-35ACF鏡筒を搭載したLosmandy社Titan赤道儀を格納した。重量軽減のためコンクリート床に段差があったが、平成24年度の第1回公開講座前に、安全のため木製床と床シートを張り、3月にはルーフ電動化を果たした。Losmandy社赤道義は国内には余りなく、バージョンアップしたばかりのジェミニ2には初期バグ等が存在したが、現在は安定運用を行っている。本赤道儀は天体導入精度3分角が期待される。面積の小さいCCDチップ上に星像を導入するため、業界標準のMeade LX200コマンド及びASCOM Platoformドライバを調査している。 公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については、第1回5/28(水)19:30~21:00 口径35㎝望遠鏡で土星と火星を見よう、第2回7/25(水)18:30~21:00 夏休みスペシャル 手作り望遠鏡で月を見よう、第3回11/21(水)19:00~20:30 口径35cm望遠鏡で木星を見よう、第4回12/17(月)18:00~20:30 夏秋冬の星座を見よう、を開催した。なるべく多くの天体を見てもらうため受講生定員は1回当たり20名としていた。計4回の講座の受講生は79名、保護者等も含む参加者は約159名であった。講座の肯定的な評価が97%、普通の評価が3%であった。また、津山市公民館から依頼された天体観測会にも2回対応した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
津山インターネット天文台の整備作業について、新観測室にACF光学系で赤道儀システムを格納することで観測室を増設することができた。また、屋上に観測室を設置する際には、耐震壁上に重量軽減のためコンクリート布基礎を置いたが、安全のため4月に木製床と床シートを張り、本年3月にはルーフ電動化を果たした。国内に余りないLosmandy社赤道義の自動導入システムが当初不安定であったが、国内総代理店と相談し、不良部品交換等により現在は安定的に運用できるようになった。当初目的よりも大掛かりな作業となったが、ルーフ電動化等インターネット化が可能な状態にできたので、8割程度達成できたと考える。ただし、導入予定だったラージフォーマット冷却CCDカメラについては、製品切り替え期のため、次年度導入予定となった。 公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」については予定通り開催し、概ね好評であった。地域の小中学生に天文教育を行うという意味で、完全に達成できたと考える。 計算機シミュレーションによる物理現象の視覚化については、高専の物理系科目で取り扱われる範囲で視覚化すべき内容の構想のみで、達成度は高くない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度までに得られた結果を基にした津山インターネット天文台の整備作業としては、 冷却CCDカメラの改良がある。現在はシリアル制御方式を用いているが、現行の冷却CCDカメラはほぼ全てUSB制御方式であるので、WindowsをOSとするカメラ制御PCを構築し、広写野のラージフォーマット冷却CCDカメラを接続する。これにより低倍率で精緻な映像を観察することが可能となる。また、天体観測室のテーマ探求型グループ授業での活用を継続する。 公開講座「天体観測会―君も未来のガリレオだ!―」のテーマとしては、5月13日 「口径35cm望遠鏡で木星と土星を見よう」、7月23日「夏休みスペシャル 手作り望遠鏡で月を見よう」、9月11日「口径35cmで金星と木星を見よう」、12月6日 「夏秋冬の星座を見よう」を予定している。また、依頼された津山市公民館天体観測教室も予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
繰り越し分950,861円と今年度交付額500,000円を合計した1,450,861円に対し、SBG社冷却CCカメラ一式(フィルターホイール等含む)に80万円、ラック型Webサーバ(UPS含む)に30万円、国内出張旅費20万円、公開講座補助学生謝金5万円、消耗品10万円を予定している。
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