研究を通して、人は色彩に頼るあまり形状を正確に把握していないことがわかった。そこで折り紙を形状の正しい認識訓練の手段に位置づけて、テキストに掲載する折り紙を開発・選択した。最終年度の具体的作業は以下の通りである。 5月に福山市の暁の星女子中学・高校で100名を対象に講習を行ってアンケートをとった。また、日本折紙協会九州コンベンション(11月)、日本折紙学会折り紙の科学の研究集会(6月)、日本折紙学会関西大会(3月)で研究の経過・成果報告を行った。さらに、ハンガリー折り紙協会創立25周年国際大会や英国折紙協会コンベンションで本研究の折り紙を講習し意見を聞いた。以上の講習でとったアンケートを基にテキストに掲載する折り紙を17種類に絞り込んで、A4版55頁の折り図集と15cm角色紙、7.5cm角色紙、マルチサイズ色紙、色画用紙、LEDキャンドルライトからなる折り紙教材を完成させ、徳島、久留米、佐賀、福山市の中学・高校、木更津高専に配布して使用してもらっている。さらに海外の折紙協会にも配布した。今年8月に東京大学で開催される第6回折り紙の科学国際会議の正式資料に選ばれて参加者全員に配布されることが決定した。
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