研究課題/領域番号 |
23501053
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
比屋根 哲 岩手大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (90218743)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 林業 / 森林環境教育 / 大学生 |
研究概要 |
平成23年度は当初、北海道および東北地方の7道県で森林環境教育の実施状況をアンケート調査等により把握する予定であったが、東日本大震災の影響で東北地方の調査は断念せざるを得ず、また北海道においても森林環境教育に関わる諸団体の情報を収集するに留まり、具体的な教育プログラムの十分な把握調査はできなかった。そのため、平成23年度は限られた範囲での森林環境教育事例の収集と、今後のアンケート調査(本調査)の予備調査として、大学生を対象に調査票の妥当性を検討するためのアンケート調査を実施し、調査票の改善点を検討する作業を中心に実施した。 北海道を中心とした森林環境教育の実施状況調査の結果、森林を利用した教育プログラムは意識的に林業に関わる内容のもの、植林体験等は行うが林業をそれほど意識しないで実施しているもの、自然観察等の森林体験が中心のもの等、様々なタイプに分けられた。また、参加人数等の活動の規模も様々であり、今後の調査を進める上でのサンプリングが課題と思われた。 学生を対象に、自らの林業に対する意識と、その意識に影響を及ぼした過去の体験について尋ねる記述式アンケートを実施した結果、林業に対する否定的な意識は学校教育の中でも培われている可能性が高いこと。また「伐採された森を見た」等の主として視覚を通した森林体験が林業に否定的な意識形成の要因になっていること、等が推察された。しかし明確な意識を引き出せない回答も多く、調査票の改善点が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の対象地は北海道および東北地方の7道県であったが、東日本大震災のため、特に東北6県での市町村への調査は震災復興事業の妨げになることを避けて実施を断念せざるを得ず、この点で調査が大幅に遅れることになった。年度の後半に至って、ようやく北海道での調査が可能になり、次年度調査の足がかりが掴かめたという段階である。
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今後の研究の推進方策 |
東北地方では、震災の影響の少ない青森県・秋田県・山形県にある市町村を中心に前年度達成できなかった森林環境教育の実施状況調査とフィールド調査対象の選定作業を同時に行うことする。また年度はじめに調査票の改善作業を終了し、北海道とあわせて北日本7道県において森林環境教育実施団体の会員やイベント参加者を対象としたアンケート調査(本調査)への協力を依頼し、実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
東日本大震災のため調査を断念したため生じた繰越額200,000円を次年度予定額800,000円に加え、計1,000,000円で前年度未調査分の森林環境教育実施状況調査と当初予定していた今年度の研究計画(林業に対する人々のイメージ把握のための本調査と、調査結果に基づいた「林業を軸とした森林環境教育教材」の試作)を合わせて遂行する。
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