• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

学習者の科学概念変容における意思的および文化社会的要因の解明と教授デザインの構成

研究課題

研究課題/領域番号 23501056
研究機関筑波大学

研究代表者

片平 克弘  筑波大学, 人間系, 教授 (70214327)

キーワード科学教育カリキュラム / 教授デザイン / 概念形成 / 概念変容
研究概要

平成24年度は、児童・生徒の科学概念形成のために、情意面や社会文化的要因を重視した教授デザインのあり方について、理論的・実践的に検討した。とりわけ、学習者の学習に対する「意思や動機」「社会文化的文脈」を踏まえた科学概念形成のための教授デザインを構想した。その際、学習内容と子どもの関係性に焦点化した「レリバンス」や、子ども達のミスコンセプション研究の成果を踏まえた「ラーニング・プログレション」等の研究成果を踏まえた。
また、具体的な教授デザインとしては、化学教育の中でもとりわけ重要な化学結合に関する教授デザインを開発した。ここでは、静電的な相互作用を重視した探究的教授デザインが化学的知識や概念の統合化に関して有効であることを多様な観点から明らかにした。さらに、レリバンスに関しては、学習レリバンスの意義を明らかにするため、現在的レリバンスや将来的レリバンスの観点から精査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、粒子概念の中でも重要な概念である化学結合の概念の教授デザインに関して、理論的に追求した。ここでは、静電的な相互作用を重視した探究的教授デザインを構想・開発し、本教授デザインが化学的知識や概念の統合化に関しても有効であることを理論面から吟味した。今後は、授業データを一層収集し、本教授デザインの有用性を実践的に示す予定である。レリバンスに関しては、学習に係るレリバンス(学習レリバンス)を実証的に分析するために、現在的レリバンスや将来的レリバンスについて欧米の研究を中心に探った。

今後の研究の推進方策

「意思や動機」、「社会文化的文脈」を踏まえた科学概念形成のためのシステム開発を継続して続ける。
「生命概念」の概念形成研究に関して、概念変容を生徒たちに生じさせるために、多岐にわたる要因をどう組み合わせて、学習者に働きかければよいかを、高等学校の「生物」における授業実践を通して検証する。特に、反証の是非、教師の問いかけ・言葉かけの有無、授業中の科学的アーギュメンテーション(議論)等の有効性を探るために、実践データを収集分析する。
さらに、学習にかかわるレリバンス(学習レリバンス)に関しては、その評価法を構築した上で実践授業を行い、実践データをプロトコル分析し、その評価法の効果を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

「該当なし」

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「真正の評価」からとらえる学力2013

    • 著者名/発表者名
      片平克弘
    • 雑誌名

      理科の教育

      巻: 728 ページ: 8

  • [学会発表] 理科の学力を考えるー多用な評価技法から捉える学力ー2012

    • 著者名/発表者名
      片平克弘
    • 学会等名
      日本理科教育学会第62回全国大会
    • 発表場所
      鹿児島大学( 鹿児島県 )
    • 年月日
      20120811-20120812
  • [学会発表] 生徒の科学的論述力を育成するための指導法に関する研究

    • 著者名/発表者名
      北澤佑子、片平克弘
    • 学会等名
      日本理科教育学会第51回関東支部大会
    • 発表場所
      東京学芸大学( 東京都 )
  • [学会発表] 理科教育における生徒と学習内容とのレリバンスに関する研究

    • 著者名/発表者名
      齋藤正義・片平克弘
    • 学会等名
      平成24年度第3回日本科学教育学会研究会(北関東支部開催)
    • 発表場所
      筑波大学( 茨城県 )
  • [学会発表] 「化学結合」を事例とした化学概念の統合化に関する一考察

    • 著者名/発表者名
      斉藤真吾・片平克弘
    • 学会等名
      平成24年度第3回日本科学教育学会研究会(北関東支部開催)
    • 発表場所
      筑波大学( 茨城県 )
  • [学会発表] 小・中・高等学校の円滑な接続を目指した理科カリキュラムに関する研究-ラーニング・プログレションズの研究知見を基にして-

    • 著者名/発表者名
      片岡佑輔・片平克弘
    • 学会等名
      平成24年度第3回日本科学教育学会研究会( 北関東支部開催 )
    • 発表場所
      筑波大学( 茨城県 )
  • [図書] 今こそ理科の学力を問う-新しい学力を育成する視点ー2012

    • 著者名/発表者名
      片平克弘
    • 総ページ数
      305
    • 出版者
      真正の評価(authentic assessment)

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi