研究課題/領域番号 |
23501059
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
吉川 厚 東京工業大学, 情報生命博士教育院, 特任准教授 (50444120)
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研究分担者 |
折田 明子 関東学院大学, 人間環境学部, 講師 (20338239)
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キーワード | 評価研究 / 教育評価 / ケースメソッド / ビジネスゲーム |
研究概要 |
経験学習における学習効果を評価するために、前年度開発した3つの手法について、データ収集と分析を実施した。具体的には、初年度に制作したマンガケース教材を用いた授業およびワークショップにて、プレテスト・ポストテストという方法で調査を行った。 その結果、文章に埋め込まれた要素のチェックの有無から判断する「キーフレーズ発見法」では、設定した効果測定は採取できるものの、要素を埋め込むテスト設計が難しく時間がかかることがわかった。複数の要素を組み合わせたペルソナを作成し、それを選考順に並び替えさせたものをコンジョイント法の手法で分析する「ペルソナコンジョイント法」では、プレテストおよびポストテストによって、学習の効果を捉えようとするものであるが、これにはノイズが入ってしまったり、社会的なバイアスがかかる可能性があるため、その除去法を検討している。 本評価手法は、マンガケース教材以外の分野においても適用ができる可能性があることが、他分野の研究者や実務家との討議から浮かび上がってきた。その結果、本年度は企業研修の評価を試みた他、来年度以降はビジネスゲームの評価を横浜国立大学の白井宏明教授とすすめるべく、下準備としての評価材料の作成を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データの収集にあたって協力機関との関係づくりに予想以上に時間を要した。また、それに伴い、論文執筆にも遅れが出ている。ただし、調整の結果次年度以降は十分なデータ収集が期待できることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
経験学習を行う機会として、大学のみならず企業研修、特にリーダー研修におけるデータ収集が可能になったため、既に開発した評価法を用いた調査と分析を着実に進める予定である。また、学習方法も、マンガケース教材に加え、ビジネスゲームも大勝とする。 研究成果は国内外の学会発表および論文執筆を行う他、Springer発行の書籍としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主にデータ収集・分析と成果発表(国内外)に使用する予定である。それに加え、評価研究は国際的なデファクトを意識した多様な観点による考察も必要であるため、当該分野の国内・国外の研究者との討議の機会を持つための費用(謝金または招聘費用)もかかる予定である。
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