平成26年度においては、最終年度になるため、不足している研究を中心に実施した。特に「自治体の震度分布予測のハザードマップから揺れやすい地盤について考えるプログラム」の開発がある。そこで本研究では和歌山県の地形をわかりやすくするために、誰でも尾根や谷が認識しやすくなるように国土地理院によって公表されている標高データを用いてCGによる3D地形図(陰陽図)を作成した。これによって動かしながら地形を把握することが可能になり、県内の地形的な違いを動的に把握することが可能になった。まだ学校でのプログラム化はまだ実践できていないが、大学生による評価では、地形図による等高線の把握がわかりやすくなったという指摘もある。またそのCG地形図と地質の違いについて理解しやすくなったという。さらに地すべりの発生の多い場所がこの地図と比較することによって地形と地質にも関係していることがより理解しやすくなっている。ハザードマップによる地震の揺れが、一般的に強い地震が平野で多いことも認識できる。 前年度までに収集している防災訓練についてのアンケートで、さらにデータを増やすために学校の教師を対象にアンケートを実施した。その結果、新しい南海トラフの地震による津波が到達しそうな学校なほど、危機意識が高く、内陸地域の学校では、意識が低い傾向がある。しかし教師自身には大きな差は見られない傾向がある。 科学的な認識ができる防災訓練プログラムの開発において、災害のイメージをすることの大切さを認識することを重視した。今までの訓練や防災教育プログラムの開発しながら怖いというだけでなく、災害によって人が亡くなるという写真などをはじめに見せる方が感動につながり、防災教育を頑張っていこうという生徒たちのモチベーションにつながるようだ。その後、講座と実習的なプログラムがあって、避難訓練につながるというプログラムの流れで開発している。
|