高校「生物」で扱われる種子の光発芽性とその生態的意義について,適切な植物教材を見出すとともに,実験方法の確立を目指した。身近な野生植物の種子を採集したところ,ほとんどが光発芽性を示した。特にオオバコとツボミオオバコの種子は,短時間の赤色光/遠赤色光照射によって可逆的に発芽が制御され,フィトクロムの関与が明らかであった。また,厚紙の箱を加工した照射箱を用いることで,葉を透過した自然光が可逆的にオオバコ種子の発芽を抑制することを示すことができた。このように,野生植物の種子と自然光を用いることで,生徒は自然条件下でのフィトクロムによる制御の意義をより容易に考察できると考えられる。
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