研究課題/領域番号 |
23501073
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
熊谷 哲 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (20118011)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 低炭素家庭 / 環境日記 / うちエコキッズ |
研究概要 |
小学生の親子の家庭で低炭素家庭のライフスタイルを実現するための検討を行う事を目的とし、平成23年度は小学生用の学習冊子(アンケートを含む)と学習用ソフトウェアの製作を行い、利用による効果等の評価を行うことを計画した。 環境日記の製作については順調に進み、16Pの冊子を兵庫県中播磨県民局管内の40小学校、7825名に配布することができた。またそれ以外の地域では相生市の小学校にも配布した。 小学校訪問による児童の反応、教諭への聞き取り調査を行い、評価を行った。この研究の成果の一部は日本環境教育学会(青森大学)にて発表し、評価を頂いた。 さらに、23年度に作成した環境日記に掲載している各家庭での省エネルギーの取り組みを二酸化炭素量に換算するアンケート調査を解析し、回答した1508名(有効1411名)の結果から約20トンの二酸化炭素削減に寄与している結果を得た。この冊子の活用で家庭での大きな省CO2効果が出た。これらの成果は学会にて発表の予定である。 ソフトウェア「うちエコキッズ」の改善については中学1年生親子(40組)へのアンケート調査によりプログラム内容の検討を行い、ソフトウェアの改善を行った。改善のポイントは小学生の発達段階による漢字の取扱が主である。初期設定を行うことで、漢字の表記を変更可能とした。また都道府県別の排出源単位の違いを反映させるようにした。 これらの改善で小学生から成人まで、全国で使用できるソフトウェアとすることが可能となり、24年度の研究で行う予定の調査に使用できる体制が整った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進んでいると評価した理由として以下のことが挙げられる。環境日記を使った低炭素家庭の実現では約7800名への配布が可能となり、かなりの小学校への広がりが実現できた。また約1400名の小学生の家庭からの調査結果の回収が行えたため、夏休み期間中の取り組み結果から二酸化炭素として約20トンの削減されたという解析結果を得ることが可能となった。このことから目的達成は順調に進んでいると考えている。 またうちエコキッズも中学一年生の親子による評価を実施して、小学校3年生から成人まで簡単に自宅でのエネルギー消費量をシュミレーションすることが可能となり二酸化炭素削減(節電も含む)、家庭の機器でどこが一番エネルギー使用が多いかを明確に指摘することで、エネルギー節減に役立てる事が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の推進方法について、環境日記についてはかなりの使用数の実績がある。しかしながら、アンケート記入による各家庭のエネルギー表示(CO2換算)を希望しない家庭も多く、回収率22%とアンケート提出者の比率は高くない。この問題の解析、対応方法の検討を行い、新たな改善された環境日記を作成する。 うちエコキッズについては国際版(最初は韓国語版を予定)の製作で日韓の低炭素家庭の国際比較を行うこと及び原子力発電所の停止に伴う政府・電力会社の節電要請から節電に特化したものをつくり、その成果を研究することも社会的な要請と考えている。但し、予算上の問題から両立は困難であり、どちらか一つとする方向で検討中である。 研究成果が明らかになってきたので24年度中に論文として公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度の研究費の執行において、23年度内執行にもかかわらず、24年4月支払いとなった品目がかなりあった。例えば7/15-7/17青森大学の出張旅費(83,020円)、プログラム製作費(399,000円)、ノートパソコン(159,600円)、プリンター(88,200円)等で、これらの分についてはこの報告書作成時点では既に執行済みとなっているので24年度使用計画には含めない。 今年度は森川海に関わる環境教材の作成費用と小学校での出前講義に使用するプロジェクター及びデータ処理等の協力者への謝金等を予定している。うちエコキッズについては国内の使用状況、評価を基にして国際版(韓国語)を作成と原発事故による電力不足の背景から、節電を主にした改良を行う予定としている。このプログラム開発費用を予定している。旅費は成果発表のための学会発表旅費、研究協力者の派遣旅費等を計画している。
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