研究課題
本研究における3年間の教育活動として、高等学校6校(以下全てのべ数)、他大学15大学の初年度教育、および本学の初期演習30回程度、飲料関連企業等6社、薬局2か所、市あるいは小学校主催6回(小学生対象、一部保護者)に対して、遺伝子検査を含むゲノム科学リテラシーセミナーを開催した。高校では指導教員との意見交換により、事前に遺伝子に対する生徒の興味を高めるとともに、実際に実験してもらいながら、技術を学ぶだけでは得られない、良い意味での意識改革に於いても少しずつではあるが効果を実感できた。大学ではアルコール健康教育も含めた遺伝子リテラシーセミナーを行い、理系学部が多かったこともあり、遺伝子そのものや個人情報について、より具体的な意見・感想が多かった。毎年開催の九州大学では、遺伝子に関する倫理委員会の申請方法や判定基準なども含めて、他大学での開催におけるモデルシステムとなった。研究期間後半では小学生にも対象を広げて「遺伝と個性」に関する啓蒙活動を行い、本教育研究の主旨である「柔軟な思考能力を持った次世代への教育」がいかに大事であるかを再認識した。教育効果測定では、大学に於いては遺伝子とアルコール代謝能力の関連性について在学中に実体験することになるため、教育効果を具体的に測定できる可能性があり、初年度に本大学で遺伝子検査を受けた学生に対して、研究最終年度から3年次(全員20歳以上)でのアルコール飲酒に関するアンケート調査を始めた。また高校独自の遺伝子実験実施を想定した簡便な実験プロトコールを新規に開発できたため、本学附属高校SSH内の研究班で、実験技術の習得および遺伝子の取り扱いに関する倫理的な説明法を検討中である。遺伝子教育に関わる実験技術開発および教育方法・システムの構築に関して、論文報告及び薬学会等で発表した。本研究の遺伝子教育活動について、NHKなどで計4回報道された。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
Analytical Science
巻: 30(3) ページ: 427-429
10.2116/analsci.30.427
Drug Metabolism and Pharmacokinetics
巻: advance publication ページ: advance pub
10.2133/dmpk.DMPK-13-NT-116