研究課題/領域番号 |
23501087
|
研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
後藤 顕一 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (50549368)
|
研究分担者 |
松原 静郎 桐蔭横浜大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50132692)
松原 憲治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (10549372)
|
キーワード | 相互評価表の活用 / 国際情報交換,イギリス / 化学実験レポート |
研究概要 |
研究代表者らは、「相互評価表」を活用する学習法を開発した。これは学習活動後、記述した内容の評価についての観点を生徒同士で話し合わせた後、ルーブリック評価法に基づいて作成した「相互評価表」を用いながら、自己評価・相互評価を行い,生徒自身の学習を振り返らせる学習方法である。この方法を用いると,生徒は学習の意義を自覚でき,身につけるべき表現力や内容を協働的につかみ取り、実感を持って学ぶ喜びを感じながら、学習に取り組めることがわかった。これに基づく試行授業を行ったところ,生徒の記述力の向上や学習意欲にも効果が現れ、取り組んだ教員や生徒の満足度は高かった。さらに,生徒が身につけるべき能力の要素を整理し,行動目標形式の目標を見据えた学習プログラムの開発が必要であると考え,具体的な能力の要素を整理するとともに,それに基づいて構成されているプログラムの開発を試みた。そのために,どの場面でどのような能力を育てることが可能なのかについて,国内外における先行研究をレビューし,専門委員会で議論を重ねたのち,目的に沿った学習プログラムを開発した。学習プログラム開発では,以前の実践の反省を踏まえ,設問の仕方や授業の設計自体を見直すなどの工夫をすることで授業改善につなげることとした。検討に当たっては,教育現場の学校教員と研究者,教育行政担当者が一体となって作成することとした。また、定量実験等でのICT活用も推進することとし,実践可能な学習プログラムを作り上げることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試行授業を踏まえて,プログラム開発の改訂を進めることができ,実践と通じた反省点を加えることで研究がさらに深まったといえる。当初の目的であった,開発した学習プログラムを各協力校で実践し,「相互評価表」の取組が表現力育成にどのような効果があるのかを明らかにすることがある可能になった。また、生徒の相互評価表の記述やアンケート、感想やインタビュー等により、生徒のどのような表現力がどの程度向上したか、学習意欲がどれだけ高まったか、効果について明らかにすることができた。また、活用したICTが機能したかについても明らかにすることができはじめている。さらに、実践した教員にアンケート調査やインタビューを行い、普及に向けて効果や課題等を明らかにする。これらには、統計的な分析方法や質的な分析方法を用いた。得られた結果について,論文としてまとめることができた。。
|
今後の研究の推進方策 |
開発した学習プログラムの実践を行う。生徒の学びの実態や「相互評価表」の機能を分析し、具体的な学習プログラムおよび指導方法の提案を行う。平成25年度には、専門委員会でさらに改良を加え、実践を繰り返すとともに、得られた結果を広く公開し、指導課程、教育課程の基礎的な資料とする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究の成果は、国内外の学会・研究会で発表する。また、関係学会誌、学術誌に発表し、広く教育関係者に報告する。 さらに,知見を得るために研究会を開催したり,イギリス,オーストラリアに情報収集のための訪問を予定している。
|