研究課題/領域番号 |
23501088
|
研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
洞口 俊博 独立行政法人国立科学博物館, 理工学研究部, 研究主幹 (00238768)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 科学教育 / 地学 / 天文 / 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 |
研究概要 |
天文分野の学習においては、物理や化学のように「実験」を行って知識を確認することが難しく、「観察」を行って学ぶことも小学校を除いてはなかなか行われていないということがしばしば指摘される。本科研費では、実際に教育現場にいる学校教員や社会教育施設の職員、さらには学生、生徒が自ら天体を観測し、教材を作成したり学習したりすることが可能となるプログラムの開発を目指す。固定した内容の教材で受動的に学ばせるのではなく、主体的能動的作業を通して得た独自の天文教材を通して、自らの宇宙について本質的な理解を獲得できるシステムを構築する。 初年度の今年は、単発の観測で学習が可能なもの(例:天体の大きさ教材)、および長期の観測が必要となるもの(例:年変化をともなう現象教材)の開発や観測を開始した。また、複数箇所で同時に共同して行う観測プログラムの1つとして、2012年5月に日本各地で見ることができる金環/部分日食の連携観測の準備を進めた。各地の公開天文台の情報についても調査を開始した。先行して開発したプログラムについて調査票やワークシートを用意し、それらの実践・評価を研究協力者の学校で行った。試行評価の結果については、日本天文学会年会ポスターや地学教育学会誌でまもなく発表する予定である。これらの開発、評価は、連携研究者や学校教員を含む研究協力者とともに、電子メール等を活用しつつ、適宜会合を開いて進められた。また、プログラムで使用する画像解析ソフトウェアの開発もあわせて行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画で予定の単発観測教材、長期観測教材、共同観測教材について、それぞれ順調に開発、観測、検討が進められており、開発されたプログラムの評価についても、適切な方向で方法が確立されつつある。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の成果をもとに、教材プログラムの開発と実践、評価を行い、その改良、および評価項目の整理を進める。開発が完了した教材について雛形化を進めるとともに、次の単発観測教材および前年度から取り組んでいる長期観測教材と共同観測教材の開発、実践、評価を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度は、打ち合わせ回数とともに実践授業の回数を増やし、成果のさらなる改良と利用の促進のために、各地の教育研究団体と協力して講習会を開催する。開発成果は完成したものから印刷物として広く配布するとともに、インターネットで公開を行い、理科教育関連学会、日本天文学会等で発表を行う。新たな単発観測教材および前年度から取り組んでいる長期観測教材と共同観測教材の開発、実践、評価も、研究協力者とともに、電子メール等を活用しつつ、適宜会合を開いて進める。
|