研究課題/領域番号 |
23501090
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田邉 鉄 北海道大学, 情報基盤センター, 准教授 (30301922)
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研究分担者 |
山崎 直樹 関西大学, 外国語学部, 教授 (30230402)
清原 文代 大阪府立大学, 高等教育推進機構外国語教育センター, 准教授 (90305607)
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キーワード | 中国語教育 / 自律学習 / 協調学習 / ゲーム型教材 |
研究概要 |
1.本番環境での運用と検証 前年度までに試験・試用を終えたWebシステムについて、本番環境でのテスト、運用、および結果の検証を行った。本番実行用環境を用意し、4ヶ月間の運用を試みた。大学のカリキュラム上の都合により必修とはしなかったが、30名2クラス合計60名のうち、25名がアクセス・利用した。複数種類のタブレット端末やプレーヤを用意して教材ポータビリティに配慮、また事後、聞き取り及び質問紙調査を行った。大半は友人と一緒に利用しており、当初目論んだ「競争と協調を同時に成立させる」点については、ほとんど「出来レース」に近いものとなった。一方で、「競争心をあおられた」「他の学習者が容易に解けないように問題を考えるのは楽しい」「このゲーム教材は役に立った」のいずれも、非常に高いポイントを得たことから、限定された範囲であれば、学習者相互のコミュニケーションシステムとして、一定の効果を上げたと言える。 2.教授法・教授理論における位置づけ 分担者山崎は、第二言語の受容と習得における内発的動機付けの理論を援用しつつ、「内発的動機付けのうち、思考活動を求める認知動機や好奇動機は、ゲームの勝敗という外発的動機付けによっても強化・促進され得る」という結論を得た。代表者田邉は、並べ替えゲームで観察された、「未習の学習項目を自律的に獲得するプロセス」から、現代の大学生の多くは「オタク的に尖った知識」を獲得しようとする動機付けが極めて強いこと、反面、「過程の困難さに容易に挫折する」点に注目して検証を行った。 3.文書化・成果の共有 システムの使い方だけではなく、授業プラン等を含めた文書化を、分担者清原を中心に行った。学習者による例文の蓄積等、学習に関連した成果物は、学習者のプライバシーをめぐる種々の懸念から,当面公開せず、閉じたシステムとしている。
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