| 研究課題/領域番号 |
23501092
|
|---|
| 研究機関 | 東北大学 |
|---|
研究代表者 |
三石 大 東北大学, 教育情報基盤センター, 准教授 (50305306)
|
|---|
| 研究分担者 |
大河 雄一 東北大学, 大学院教育情報学研究部, 助教 (60361177)
今野 文子 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (20612013)
|
|---|
| キーワード | 成長型教授設計プロセスモデル / ダブルループ教授設計プロセスモデル / 対話型授業 / 対話型教授システム / 授業改善 / 授業リフレクション / クラウドコンピューティング / クラウド型教育環境 |
|---|
| 研究概要 |
本研究では、我々が提案する成長型教授設計プロセスモデルであるダブルループ教授設計プロセスモデルに基づき、授業計画と教材データをオンライン上に保存、蓄積、提供し、これによる対話的授業の実施を可能とするとともに、実施した授業内容もオンライン上に記録、保存し、教師と学生の双方が自由に閲覧、利用可能とすることで、授業計画と教材データの効果的な再利用を促進し、授業内容の更なる改善、高度化を可能とするクラウド型教育環境の実現を目指している。
そのためにH24年度は、先ず、初年度の研究成果である、授業計画と授業実施結果との比較による授業リフレクション手法、ならびに対話型教授システムIMPRESSIONのための授業計画立案・管理方法とこれによる授業の実施・記録方法の基本設計に基づき、IMPRESSIONによる授業計画と授業実施結果の再利用を可能とする授業計画立案手法に関する検討を行い、クラウド上に蓄積された授業計画と実施結果の部分再利用が可能な授業計画立案システムのプロトタイプシステムを設計、実装した。
また、授業そのもののクラウウド環境上での実施に対応するために、ネットワーク上の任意の複数の受講者が任意の複数のグループに分かれて協調しながら学習を進め、これを教員が指導可能とする手法の検討を行い、これに基づき、複数グループによる共有ホワイトボードを介して相互にコミュニケーションと、教員による観察、介入が可能な教授システムのプロトタイプシステムを設計、実装した。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、東日本大震災の影響で研究開始に大幅な遅れが生じ、最終的にもシステムの基本設計に至らず、やや遅れてしまっていた部分があったが、本年度は、本研究で実現しようとするシステムの基本設計を明らかにし、また、学生アルバイトなどにも協力してもらい、そのプロトタイプシステムを実装するなど、大きく進展させることができ、当初の計画に近い段階まで進めることができたと考えられる。
特に、クラウド環境上への授業計画や実施結果の蓄積と利用だけでなく、分散環境上で受講生の参加に対応できるよう、複数ユーザおよび複数グループ間での相互コミュニケーションを可能とする通信方式の検討とこれによるプロトタイプシステムの実装を行えたことは大きな進展であったといえる。
ただし、今回開発したシステムはいずれもプロトタイプシステムであり、あくまで、その動作確認を主たる目的としたものであり、提案システムによる実験の実施には、更なるシステム開発を要するものと考えている。また、システムの開発だけでなく、提案システムを利用した授業計画の改善・高度化手法についても引き続き検討を要する。
|
| 今後の研究の推進方策 |
先ず、H25年度には、H24年度までに開発したプロトタイプシステムをベースにこれをブラッシュアップし、本研究で実現しようとする成長型教授設計プロセスモデルに基づき授業計画の改善、高度化を可能とするクラウド型教育環境のための実証実験が可能なクライアント・サーバ型システムの構築を行い、そのシステムアーキテクチャや通信プロトコル等の詳細設計を明らかにする。その際、実授業への適用を視野に入れ、ユーザインタフェースのユーザビリティも含めた設計を行うとともに、実授業での試行を行い、その実行結果、および利用形態を観察し、不具合の確認、ならびにこれに基づく改善を行う。
また、システムの構築と並行して、実教育現場における授業改善、高度化の取り組みについても引き続き調査、分析を進め、教育現場におけるニーズを確認するとともに、情報システムを活用した授業リフレクション手法の提案を行っていく。
その上で、H26年度には、H25年度に構築する実験環境を利用した継続的な実証実験を実施し、本研究で提案するクラウド型教育環境の有効性を評価するとともに、この中で確認された課題に基づき、システムの改修を行い、クラウド型教育環境における授業計画管理のためのデータ形式と教示内容の記録、配信のための通信プロトコル、ならびにクラウド型教育環境の基盤としてのシステムのアーキテクチャの詳細を明らかにする。
|
| 次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
|
