研究課題/領域番号 |
23501094
|
研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
|
研究分担者 |
河野 純大 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90352567)
白澤 麻弓 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (00389719)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
|
キーワード | モバイル型遠隔情報保障システム / 音声認識 / リアルタイム / 聴覚障害 / 情報保障 |
研究概要 |
「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究」の「複数の聴覚障害者に文字による情報保障を体験して貰い、表出の際に自身が利用したい手法に関するアンケートを実施する」に関しては、「モバイル型遠隔情報保障システム」を利用し、最も効果的に使用できる屋内・屋外で移動を伴う複数回の状況下(研究所の見学実習など)にて、アンケートを実施した。アンケート結果に基づき、聴覚障害者が利用したい表出手法のリストアップや傾向を見出すことができた。平成24年度に学会等にて発表予定である。 「通信手法の最適化に関する研究」の「Webアプリケーション化の調査および試作、通信機材の選定」に関しては、Webアプリケーション化の調査および試作を開始し、継続中である。通信機材はiPadまたはAndroid搭載のタブレットを想定している。iPad本体は今年度購入済みで試作に利用している。平成24年度内に試作システムを実験に使用したい。「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究」の「プロセスB重視タイプ」および「プロセスA重視タイプ」を実現するための実験的な各システムの開発を行う」に関しては、修正作業に重点を置く「プロセスB重視タイプ」研究の第一段階として、修正担当者の意見聴取によって作業を円滑に行うための連携作業用ソフトウェアの改良を実施した。この改良ポイントは3点あり、1つ目は作業連携を円滑に実施するための機能追加、2つ目は復唱担当者が復唱開始直後からその音声-文字変換過程をリアルタイムに各修正担当者へ通信で送り、修正候補を事前に提示する機能、3つ目は復唱担当者の復唱から変換文字列取得までに要する時間を短縮するための機能である。これらの機能を平成24年度の講義授業の中で試用し、その評価を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画している「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究」、「通信手法の最適化に関する研究」および「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究」の3項目について、それぞれ概ね予定通りに進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
概ね順調に研究が進んだこともあり、「次年度使用額」が今年度交付額の1%未満であった。次年度からも計画に沿って使用してゆく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
下記の研究項目A~Cを行う予定である。項目Aでは学会での研究発表のための旅費、項目BおよびCでは実験システム開発のための費用や調査費用などに研究を使用する予定である。項目A:「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究」については、平成24年度にアンケート実施の成果を学会等にて発表し、その結果に基づき、聴覚障害者が「表出」するための手法等の検討を行う。項目B:「通信手法の最適化に関する研究」については、「Webアプリケーションの評価、通信機材の選定」を予定どおり、継続して行う。項目C:「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究」の「プロセスB重視タイプ」および「プロセスA重視タイプ」を実現するための実験的な各システムの開発を行う」に関しては、修正作業に重点を置く「プロセスB重視タイプ」研究については、平成23年度に開発した機能を平成24年度の講義授業の中で試用し、その評価を行う予定である。また、復唱作業に重点を置く「プロセスA重視タイプ」研究に関しては、我々の調査から、本研究に利用できる機能を有するシステムが市販される可能性もあり、そのシステムの活用も考慮して進める予定でる。
|