研究課題/領域番号 |
23501094
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
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研究分担者 |
河野 純大 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90352567)
白澤 麻弓 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (00389719)
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キーワード | モバイル型遠隔情報保障システム / 音声認識 / リアルタイム / 聴覚障害 / 情報保障 / 遠隔 |
研究概要 |
「通信手法の最適化に関する研究(項目B)」の「Webアプリケーション化の調査および試作、通信機材の選定」に関しては、Webアプリケーション化の調査を終え、試作システムの開発を始めた。聴覚に障害のある利用者側の機材としては、Android OS搭載のタブレット端末を選定した。利用者側ではこのタブレット端末(LTE,4G通信)一台のみで、利用者側の映像・音声を送信し、遠隔地にいる情報保障者によってリアルタイムに作成された字幕データを受信し表示する。開発に際しては、マイクは教員等の発話者に所持して貰う必要がないように、そして教室等の利用者側の環境音もある程度得られるように配慮した。遠隔地にいる情報保障者は各自が在宅で情報保障活動ができるようにWebアプリの開発を実施した。情報保障者側ではインターネットに接続されたパソコンが一台あれば情報保障ができるように配慮した。今年度は、利用者や情報保障者からのヒアリングが可能な状況が早々に得られたために、このシステム開発を優先的に実施した。試作したシステムは利用者および情報保障者からの意見を反映させながら2012年12月から開発を始め、2013年3月から試験的な運用を開始することができた。 一方、平成24年度中旬までの研究成果の一部を、国際学会にて報告することができたが、「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究(項目A)」に関しては、アンケートの集計は終えてはいるが、発表までには至らなかった。平成25年度の早い段階で学会等にて発表を行いたい。 「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究(項目C)」に関しては、対話局面での音声認識利用についての調査・実験を行い、「プロセスA重視タイプ」および「プロセスB重視タイプ」等の比較を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画している「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究」、「通信手法の最適化に関する研究」および「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究」の3項目について、「通信手法の最適化に関する研究」を円滑に進めるための状況が年度の途中で得られたために、この項目を想定より早い段階で進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は主に、「通信手法の最適化に関する研究」については、iOS端末(LTE対応)やAndroid端末(4GまたはLTE対応)等での利用可能な聴覚障害者側のインタフェースを構築し、試作システムの完成を目指す。その後、情報保障者や聴覚障害者からのヒアリングやアンケート等を実施・解析を行う。 また、「聴覚障害者側からの表出に関する規約や工学的手法に関する研究」に関しては、次年度の早い段階で学会等にて発表を行いたい。 「人的なコスト削減を目標に置いた音声認識字幕作成手法に関する研究」に関しては、対話局面での音声認識利用についての調査・実験を行い、他の手法との比較検討を継続する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
繰越金246,169円が発生した理由としては,システムを利用する情報保障者からのヒアリングから,システムの円滑な利用のために必要な携帯端末の表示画面の大きさや処理能力等のスペックが若干不十分な状況が想定されたために,年度内での新機種購入を控えたことに起因する。次年度発売予定の機種に妥当なスペックを有する機種が含まれているために,次年度中に使用する予定である。また,次年度の研究費分に関しては、システム開発のための各種資料や情報収集のための旅費、複数の携帯端末(LTE,4G通信対応)の通信費、システム開発用のソフトウェア・ハードウェアの購入を予定している。
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