研究課題/領域番号 |
23501095
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (70310191)
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キーワード | 情報保障 / 聴覚障害者 |
研究概要 |
今年度は、学習支援情報提示システムの受信部についての検討を行うとともに、オーストリアで開催された障害者向け支援技術に関する国際学会ICCHP2012に参加し、当該分野の研究状況に関する調査を行った。 構築予定の情報提示システムのうち、情報の受信側である被験者端末は、画像提示部分であるヘッドマウントディスプレイと、画像配信装置からの信号を受信する小型PCからなる。このヘッドマウントディスプレイに関しては、昨年度までの検討で、NEC社の新しいヘッドマウントディスプレイ「テレスカウター」が仕様を満たさないことが確認されているが、今年度に入り、Google社のGoogle Glass, Vuzix社のM100などの製品が発表された為、画像提示装置としての可能性を検討したところ、どちらも小型軽量であり大学の講義などでの長時間の装用の際に使用者への負荷が少ないこと、受信端末との接続はBluetoothによる無線接続が可能など取り回しが容易であること、OSとしてAndroidを用いており、アプリケーションの開発環境整備が容易であること、ユニットコストが過去に検討したヘッドマウントディスプレイの半額以下であることなどが確認できた。そこで、早期に製品の入手が可能であるM100を被験者端末として採用することとし、受信端末についても、当初予定の小型PCよりも安価で、Bluetooth接続が可能なタブレット端末を用いることにより、実験で想定している大学における1クラスでの利用を満たすだけの台数を用意するめどが立った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
システムのキーデバイスであるヘッドマウントディスプレイの製品化の遅れにともない、評価システムの構築が遅れており、システムの評価に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、表示デバイスおよびコンテンツ受信端末についての検討を終えた。今後は引き続きシステムの構築を進め、字幕提示による評価実験を実施し、学生・教員間のインタラクションの評価方法に関する検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、実験システムの構築が受信部分のみにとどまったため、構築できなかった部分に対する次年度使用額が発生した。次年度は、この研究費を用い、配信部の構築を行う。その後、システムの評価実験を行い、被験者に謝金を支払う。また、ヒューマンインタフェースに関する国際学会HCII2013に参加し、研究課題に関する情報収集及び研究者との意見交換を行う。
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