本研究において、論理的思考、特に仮説形成を促す学習課題を開発し、その課題遂行時に発生する脳波を測定した。その結果、仮説形成課題と記憶課題ともにシータ波とデルタ波との間で1:5の位相固定が間欠的に発生することを見出した。本研究の目的は、仮説形成課題に特有の位相固定を見出し、その位相固定を思考過程の指標として活用する可能性について検討ことであったが、両課題の比較で、位相固定の持続時間に有意な差を見出すことはできなかった。今後は、仮説形成を促す課題の設計について再検討を行い、位相固定を論理的思考過程の指標として用いる可能性をさらに追及する予定である。
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