研究課題
本研究の目的は,大学教育において,協調学習のマネジメント能力を向上させるための教育プログラムを開発することである.平成25年度には,前年度に収集したデータ分析をもとにした学習環境デザインの検討と,それをふまえ2科目の授業開発・改良に取り組んだ.学習環境デザインの検討については,主に次のようなことを実施した.基礎科目のデザイン要素技術について,1)学習者が必然性のもと主体的に活動に取り組み,またその過程で遭遇する種々の問題を解決しようとするような状況設定,2)学習者自身が自分やグループの活動を適切に振り返ることのできる機会提供,という2側面から検討を行った.その結果,学習者が自己調整や共同調整を行いやすくするための課題提示の仕方と,振り返りを行いやすくするための学習支援システムのデザイン要件が見いだされた.発展科目のデザイン要素技術については,内容理解をより深めるための検討を行った.その結果,1)理論として得た知識を応用するための課題提示方法と,2)多視点から対象を捉えるための議論の用い方についてのデザイン要件が見いだされた.これらの知見をふまえ,改良した2科目を実施しデータ収集をすることで,新たなデザイン変更が2つの科目で扱う知識の理解深化に寄与したかどうかの検討を行った.その結果,デザイン変更は概ね有効であることが示されたとともに,個人差への対応や更なる理解深化を目指すためのデザイン指針が見いだされた.
すべて 2013
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日本教育工学会論文誌
巻: 37 ページ: 23-34
To see the World and a Grain of Sand: Learning across levels of Space, Time, and Scale: CSCL 2013 Conference Proceedings
巻: Vol.2 ページ: 327-328