研究課題/領域番号 |
23501105
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
青木 香保里 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00258683)
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研究分担者 |
荒井 眞一 札幌大谷大学, 社会学部, 准教授 (80552877)
吾妻 知美 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (90295387)
高野 良子 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (90329649)
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キーワード | 家庭科教諭 / 栄養教諭 / 養護教諭 / 連携 / 授業プログラム |
研究概要 |
平成23年度から継続した取り組みとして、子どもの体や生活の現実に根ざすという共通性をもつ家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の連携とネットワークの形成、および学校教育において子どもの発達を支える専門職の資質の形成に寄与する授業プログラムの開発に向けて課題の整理と把握を行っている。 授業プログラムの具体化および教育内容研究として、「水」「甘み」「排泄」などに関する検討を行い、学会発表および論文化など公表を行った。 なお、平成23年度研究成果から「家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の連携の可能性と課題」を検討するうえで家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の設置をめぐる歴史的背景をふまえる必要性が示唆されたことから、家庭科教諭と養護教諭の接点となる「養護」の概念について明治期まで遡って検討した。 「養護」の語は「教授」「訓練」と並ぶ教育の方法として提唱された始まりをもち、「日常生活において、栄養・空気・光線・衣服・保湿・清潔・運動・休養等の衛生的原則を遵守させ、不良な生活習慣を矯正して、健康を保持増進させる作用」という意味に解され、「養護」の語をめぐって、家庭科教諭は教科教育の側面から、養護教諭は学校生活環境・安全・衛生等の側面に重点をおき、教育活動として相互作用が期待されていることが示唆された。このような歴史的背景をおさえたうえで、教育をめぐる課題と照らし合わせふまえた教育内容の検討と授業プログラムの具体化が、家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の連携の可能性を広げるとともに、教師の専門性の解明につながることが期待できる。さらには、学校教育に係る課程において保健・医療・福祉との連携を視野に入れた専門性の養成を構想する必要があり、カリキュラムや教育プログラムの具体化は引き続き検討課題として取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記した全体計画の概要(平成23年度~25年度)のうち、平成24年度の計画である「家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の連携をめざした授業プログラムの具体化」を行い、授業プログラムに関する教育内容研究を行い、成果について随時公表することができた。 また、明治期にまで遡って「養護」の概念について整理し、「養護教諭」と「家庭科教諭」の接点・接続・連携の必然性を歴史的に検討し、教師教育や教育方法に資する成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、家庭科教諭・栄養教諭・養護教諭の連携を目指した授業プログラムの具体化と作成、および成果の公表について継続するとともに、成果に対する評価と改善に向けた資料の収集を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度に取り組んだ先行研究の収集、先行実践の検討、各養成課程における現状の把握と課題の整理については継続して取り組みを進める予定である。また、授業プログラムの具体化ならびに授業プログラムに関する教育内容研究についても、継続して取り組みを進める予定である。 なお次年度使用額(B-A)(繰越金)が生じた点については、大学の予定や学外で担当している用務等の関係で、海外出張の日程を設定することが困難であったため、海外出張 を次年度に設定するなど計画を修正したことが理由である。 研究費は資料の収集および成果の公表、授業プログラムの作成などに関わって、旅費や物品費を計上している。
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