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2012 年度 実施状況報告書

「作ることによる学習」と「誤りからの学習」を統合するモデリング学習環境の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23501107
研究機関神戸大学

研究代表者

堀口 知也  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (00294257)

研究分担者 平嶋 宗  広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10238355)
キーワードモデリング学習環境 / 定性推論 / 誤りへの気づき/修正 / ロバストシミュレータ / 制約の意味論
研究概要

本研究において開発を目的とする「誤ったモデルの振る舞いに対する適応的説明機能を持つモデリング学習環境」は,次の6つのモジュールから構成される.すなわち,(1)GUIによりモデル部品を組合せてモデルを作成するモデル作成インターフェース,(2)作成されたモデルを内部の形式表現に翻訳するモデル翻訳器,(3)形式表現されたモデルの計算可能性をチェックした上でその振る舞いを計算するロバストシミュレータ,(4)学習者の作成したモデルと正しいモデルを照合して両者の差異を同定するモデル照合器,(5)両者の差異に基づき作成されたモデルの振る舞いを説明する説明生成器,(6)モデルを構成する制約群の物理的意味を格納した知識ベースである.また,補助的システムとして,(7)対象系とその正しいモデルを問題作成者が記述するためのシナリオ作成支援ツールを作成する.
平成24年度末までに,モジュール(1)~(6)の実装を完了し,各々の単体テストおよびモジュールを統合した動作検証において,問題ない動作を確認した.(4)の開発にあたり,効率性・汎用性を改善するため,当初予定にはなかったSME(構造写像エンジン)(米Northwestern大学のForbus教授の協力を得た)の組み込みを行ったため,検証作業にやや時間を要したが,平成23年度末の時点で進捗が予定より進んでいたため,全体としては遅れを生じていない.平成25年度は,引き続き(7)の設計・実装を行い,初頭力学を対象とした実験用シナリオを10個程度作成し,システムによる学習効果を予備実験によって確認する予定である.
完成した試作システムおよび予備実験の結果について,国際会議および国内研究会において研究発表を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本システムを構成する6つのモジュール(「研究実績の概要」参照)の内,平成24年度末までの当初計画であったモジュール(1)~(6)の実装を完了した.各モジュールの単体テストの結果は良好であり,これらを統合しての動作検証においても,問題ない動作を確認した.中核モジュールである(3)ロバストシミュレータの実装には,当初の予定通りQSIMを用いたが,推論効率の改善のため,定性プロセス理論の適用を検討中である.また,(4)モデル照合器の開発にあたり,米Northwestern大学のForbus教授の協力を得て,SME(構造写像エンジン)を組み込み,効率性・汎用性を当初予定よりも大幅に改善した.

今後の研究の推進方策

引き続き,モジュール(7)の設計・実装を行い,予備実験用シナリオの作成を通して動作検証を行う.そして,予備実験を実施し,システムによる学習効果を確認する.また,ユーザインターフェース(モデルの作成,及びシミュレーション結果・説明の表示)に関わる部分については,同予備実験を通して当初設計の改良を試みる.
モジュール(7)に関しては,可能であれば物理教師の協力を得て,システムの実地での使用を視野に入れた改善を行っていく.

次年度の研究費の使用計画

前年度までに開発した各モジュールの最終単体チェック,及びモジュール(1)~(6)の統合・検証を行うための計算機は,前年度までにすべて購入済みである.本年度新たに開発するモジュール(7),及び実施予定の予備実験は,既有の計算機を用いて行う.
研究成果を公開するための研究成果公開用計算機を,今年度新たに購入する.研究成果公開用Webページ作成のための学生雇用費が発生する.また,研究に関する打ち合わせ(神戸において2回程度),及び研究成果の発表(国際会議1回(11月),国内学会2回程度を予定)のための旅費が必要である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 誤りの可視化による階層構造の理解を指向したコンセプトマップ構築学習の支援環境2013

    • 著者名/発表者名
      東本 崇仁, 今井 功, 堀口 知也, 平嶋 宗
    • 雑誌名

      教育システム情報学会誌

      巻: Vol.30,No.1 ページ: 42-53

    • 査読あり
  • [学会発表] モデルの誤りに関する説明能力を持つモデリング学習環境の開発2013

    • 著者名/発表者名
      堀口 知也, 東本 崇仁, 平嶋 宗
    • 学会等名
      第67回人工知能学会先進的学習科学と工学研究会
    • 発表場所
      高知県高知市
    • 年月日
      20130304-20130305
  • [学会発表] A Model-Building Learning Environment with Error-based Simulation2012

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi, T., Hirashima, T. and Forbus, K.D.
    • 学会等名
      26th International Workshop on Qualitative Reasoning
    • 発表場所
      California, USA
    • 年月日
      20120716-20120718
  • [学会発表] A Model-Building Learning Environment with Explanatory Feedback to Erroneous Models2012

    • 著者名/発表者名
      Horiguchi, T., Hirashima, T. and Forbus, K.D.
    • 学会等名
      11th International Conference on Intelligent Tutoring Systems
    • 発表場所
      Chania, Greece
    • 年月日
      20120614-20120618
  • [図書] 教育工学とシステム開発(矢野米雄・平嶋宗 編著)第1部第4章2012

    • 著者名/発表者名
      堀口 知也
    • 総ページ数
      217(うち10ページを担当)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

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公開日: 2014-07-24  

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