研究課題/領域番号 |
23501109
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
林 敏浩 香川大学, 総合情報センター, 教授 (90264142)
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研究分担者 |
垂水 浩幸 香川大学, 工学部, 教授 (80293900)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 問題作成 / 問題共有 / 学習者支援 / 学習者主導 / 教育システム / S-Quiz / e-Learning / 教育工学 |
研究概要 |
学習者が自ら問題を作成して、それらの問題を学習間で共有できる投稿型自主学習素材共有システム(以下、S-Quizと呼ぶ)における学習者に対する問題作成支援として、作成したい問題に関連する候補情報を、Wikipediaなど構造情報を保持するインタネットリソースから自動収集して、共起関係などに着目した分析を経て、問題作成の参考情報を自動生成する機能の設計を行った。さらに、S-Quizの問題作成機能の一次試作を行った。次に、地域観光検定を対象領域として問題作成機能の一次評価を実施した。 しかし、試作された機能により自動作成された問題は、十分な量を提供できる可能性が示唆されたが、クオリティに関して十分であるとは言えない一次評価結果となった。そのため、今年度は、基本的な設計アイデアを基に、問題を自動生成する機能のコア部分の再検討を実施した。そのため、今年度は当初予定していた性能を発揮するシステム開発にはいたらなかった。また、再検討(設計・開発)は時間がかかると判断されたため、S-Quizの問題自動作成機能の研究と平行して、S-Quizの他の学習者支援機能および、次年度実施予定の教師支援機能の検討を進めた。3年間の研究全体としては概ね予定通りと考えるが、問題自動生成機能は次年度に持ち越しとなった。 なお、本年度の研究成果は、教育工学系学会である教育システム情報学会などで登壇発表を行い、関連研究者と意見交換なども行った。また、今年度の発表には間に合わなかったが、教育工学系の国際学会で研究成果を発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試作された機能の一次評価では、自動作成された問題は十分な量を提供できる可能性が示唆されたが、クオリティに関して十分であるとは言えない結果となった。このため、問題自動作成機能の再検討に基づく設計・開発のフェーズを再度行う必要があるが、期間内に当初予定の研究目標を達成するために、平行実施できる研究を精査して、S-Quizの他の学習者支援機能および、次年度実施予定の教師支援機能の検討も今年度実施した。このため、全体的な進捗としては、概ね予定通りであると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に実施できなかったS-Quizの問題自動生成機能の実現を平成24年度計画に盛り込む。また、平成23年度に平行実施した平成24年度の研究計画分に基づき、当初予定どおり研究を実施する。全体としては平成24年度終了時点で、予定されていた研究を達成することを目指す。なお、平成24年度はシステム開発に関わる学生スタッフを増員して、開発フェーズの時間短縮などはかり、研究を推進していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、システム管理者のサポートなしで、各種設定を教員が安全に行えるよう自己完結型運用支援機能を実現する。具体的には、システム管理者が行っているタスクを分析して、教員が独自にシステムを運用できるためのタスクを整理する。さらに、個々のタスクに対してシステムの安全性などを担保するためにどのような制約条件を設定するか検討する。この制約条件に基づき教員に提供するインタフェースをデザインする。このために、(1)タスクと制約条件の分析と(2)インタフェースの設計を林・垂水で分担して対応する。(1)タスクと制約条件の分析は、平成23年度に前倒しで実施しており、(2)インタフェースの設計については、教員に提供するインタフェースデザインは垂水が担当する。そのデザインに基づき、謝金【謝金等:プログラム作成協力費】を利用して、インタフェース実装する【設備備品:プログラム開発用計算機を使用】。 上記以外に、投稿型自主学習素材共有システムの運用サーバ【設備備品:運用サーバ用計算機を使用】を構築し、平成23年度研究分からの学習者に対する支援機能(問題自動作成)の再設計・開発および評価実験を実施する。さらに試験運用を実際の授業の中で実施する。実験で得られた各種データは謝金【謝金等:データ分析協力費】を利用して分析する。また、当該支援機能の改良が必要な場合は、謝金【謝金等:プログラム作成協力費】を利用して実施する。なお、得られた結果については関連学会や国際会議などで成果発表する。これらは林・垂水の両名で対応する。
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