研究課題/領域番号 |
23501109
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
林 敏浩 香川大学, 総合情報センター, 教授 (90264142)
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研究分担者 |
垂水 浩幸 香川大学, 工学部, 教授 (80293900)
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キーワード | 問題作成 / 問題共有 / 学習者支援 / 学習者主導 / 教育システム / S-Quiz / e-Learning / 教育工学 |
研究概要 |
学習者が自ら問題を作成して、それらの問題を学習間で共有できる投稿型自主学習素材共有システム(以下、S-Quizと呼ぶ)の開発を継続推進した。 まず、昨年度からの研究継続として、S-Quizにおける学習者に対する問題作成支援として、正答に着目して、関連するリソースをインタネット上(一次実装ではWikipediaを利用)から取得して、学生が問題と誤答候補を作成できる支援機能を設計・実装した。さらに作問支援のための素材蓄積用のデジタルアーカイブシステムを追加実装した。教育現場での試用・評価実験などは未実施であるが、実装前に本機能の予備実験を行い、学習者が提示されたリソースで問題作成を行えることを確認した。 次に、システム管理者のサポートなしで、各種設定を教員が安全に行えるよう自己完結型運用支援機能を実装を進めた。具体的には、システム管理者が行っているタスクを分析して、教員が独自にシステムを運用できるためのタスクを整理し、個々のタスクに対してシステムの安全性などを担保するためにどのような制約条件を設定した。この制約条件に基づき教員に提供するインタフェースをデザインした。このインタフェース実装は一次試作のフェーズを終えた。 3年間の研究全体としては概ね予定通りと考えるが、機能実装の一部は次年度に持ち越しとなった。なお、本年度の研究成果は、教育工学系学会(教育システム情報学会研究会)で登壇発表を行い、関連研究者と意見交換なども行った。また、国際学会(Internationall Conference on Informatiion Technology Based Higher Education and Training)で研究成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
支援機能の実装については当初計画よりやや遅れが出ている(一次試作の段階や評価実験まで実施できていないなど)。平成25年度実施の教育実践に利用できるシステムの安定度は担保されていると考えられるので、教育実践の準備をしながら平行して開発作業を進めることで、遅れの影響は最小限になると考えている。平行開発を進める前提で研究計画の一部を変更することで、全体的な進捗としては、概ね予定通りであると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に完成に至っていないS-Quizの支援機能実現を平成25年度計画に盛り込む。これと当初予定の計画を平行に実施する。なお、平成25年度はシステム開発に関わる学生スタッフを増員して、開発フェーズの時間短縮などはかり、開発を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、投稿型自主学習素材共有システムの実運用実験を主たる研究課題とする。投稿型自主学習素材共有システムの運用サーバで、平成24年度に実現した支援機能の評価実験を実施する。さらに最終運用実験を実際の授業の中で実施する。なお、このために必要なシステム開発も平行して進める。平成24年度と同様に実験で得られた各種データは謝金【謝金等:データ分析協力費】を利用して分析する。また、当該支援機能の改良が必要な場合は、謝金【謝金等:プログラム作成協力費】を利用して実施する。なお、得られた結果については関連学会や国際会議などで成果発表する【国内旅費・外国旅費:研究発表旅費】。また、システム公開する。これらは林・垂水の両名で対応する。
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