電子ポートフォリオを活用する場合と紙ベースのワークシートに記入しファイルに蓄積する方法を比較した。授業と連動して授業中に作成する紙ベースのポートフォリオであれば、通常の教室で授業が実施でき、出席していれば、全員が記入する。しかしながら、電子化されていないため、学生の管理がいい加減な場合、紛失等が発生し、ポートフォリオの意味をなさなくなる事例があった。この紙の利便性を活かすためのシステムの在り方として、紙上に記入したポートフォリオをPDF化し、それを蓄積する方法が良いことがわかり、システムの設計した。本研究の範囲をこえるため、設計資料を大学に提供し、自己成長記録データベースとして実現した。また、これまで、開発してきたポートフォリオシステムの機能や利用状況について整理するとともに、キャリアポートフォリオについて活用事例をまとめた。さらに入力すべき項目について整理しつつ、入力支援機能についても整理することができた。 「教職履修カルテについて」における「必要な資質能力の指標」は5段階による自己評価を行う。その一方で、どの科目を履修すればどのような資質能力が身に着くか,科目のシラバスを同指標に紐付けることにより,成績と自己評価を対比させることで自己評価の検証を半自動的に行うことがわかった。 1つの指標と1つの免許法科目が対応しているわけではなく、1つの指標に複数の免許法科目が関連している場合や,1つの科目が複数の科目に対応している場合がある。このためシラバスを参照したり、担当教員や担当事務と協議の上、関連性および寄与率を算出する必要がある。免許法科目で定められている教職に関する科目は,多くの大学において10科目~20科目程度であるため、手作業による紐付け作業により寄与率の算出が可能であることがわかった。
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