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2012 年度 実施状況報告書

AR技術を利用した板書表現の拡張と教育利用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23501124
研究機関四国大学

研究代表者

奥村 英樹  四国大学, 生活科学部, 教授 (80233477)

キーワードAugmented Reality / 拡張現実感 / 板書 / 教材ソフト / システム開発
研究概要

平成24年度は、平成23年度に制作したプロトタイプのシステムにおける試行と評価をもとに、板書では表現しづらい分野でのAR教材の設計と開発に注力を行った。平成23年度より四国大学では大学改革として、事務処理作業に高負担な時期が続いているなか、平成24年度は学科長を努めることになったため、十分な時間がとれず、模擬授業や評価を行うまでには至っていない。しかし、通常の板書では表現しづらい、(1)比較的大きなモデルと(2)動きを伴うモデルについては開発を行い、その実現可能性と開発上の留意点を検討することができた。
1つ目は、黒板上を仮想の物体が加速度運動しているように見える教材ソフトであり、白板上に等間隔のマーカーを置くことで、学習者はARソフトを通して白板前をおよそ3m以上の距離にわたって等加速度で運動する物体を閲覧・シミュレーション操作が可能となった。この手法により、大きな立体モデル全体を見ることも、加速の最初や最後など特定の位置だけを拡大して見ることも実現可能となったが、マーカーの数や物理的な配置上の限界など、いくつかの課題も見つかった。
2つ目は、金星の満ち欠けを立体的に表現する教材ソフトである。白板上に書かれた平面的な満ち欠けの図が動くだけでなく、学習者と白板の間に太陽があるものとし、学習者の位置が地球である場合の金星の動きと、太陽による満ち欠けが見えるようになっている。前後に立体表示させる場合は、マーカーを中心に投影すると白板を通り抜けて奥に移動した物体の遠近感が不明瞭になり、逆に全ての物体を白板の手前に表現すると、マーカーが撮影される範囲内でしかカメラを動かせないなどの制限事項がいくつか生じることがわかった。
さらに、CGデータを用意するだけで、簡易にARを利用した提示が実現できるソフトも整備し、多様な場面でAR教材を利用可能にした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度より四国大学では大学改革として、事務処理作業に高負担な時期が続いているなか、平成24年度は学科長を努めることになったため、十分な時間がとれず、開発については概ね予定通りとなっているが、模擬授業や教育現場での試行などについてまでは十分な時間を割くことができていない。

今後の研究の推進方策

最終年度となっており、これまでに開発したものに加えて、ARによる応用的な利用(幼児教育や図画工作などの表現分野)について、その可能性を提案する教材ソフトを開発する。また、平成23~24年度の研究から、板書表現を拡張するうえで、マーカーの利用はかなり制限があることがわかっているので、マーカーを利用しないで提示可能な教材ソフトの開発とその留意点についてまとめる予定である。

次年度の研究費の使用計画

ARによる応用的な利用を実現するため、電子黒板を活用することによる、ARの可能性や授業内での提示例を検討し、提案する予定である。
また、マーカーを利用しないで提示するためには、開発と閲覧のそれぞれの端末で高速なデータ処理を要求されるため、これに対応した環境を整備したいと考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] AR技術の板書表現への利用に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      奥村英樹
    • 雑誌名

      四国大学紀要 人文・社会科学編

      巻: 第37号 ページ: 69-76

  • [学会発表] AR技術の板書表現への利用に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      奥村英樹
    • 学会等名
      日本教育工学会 第28回全国大会
    • 発表場所
      長崎大学
    • 年月日
      20120915-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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