研究課題/領域番号 |
23501131
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
西尾 由里 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20455059)
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研究分担者 |
都築 雅子 中京大学, 国際教養学部, 教授 (00227448)
猪井 新一 茨城大学, 教育学部, 教授 (80254887)
米倉 達広 茨城大学, 工学部, 教授 (70240372)
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キーワード | 小学校英語 / 小学校教員 / 英語発音 / 習得困難度 / 中心特性 / マルチメディア教材 |
研究概要 |
本研究の目的は、習得困難度(発音が困難である音声特徴)と中心特性(コミュニケーションの阻害要因となる音声特徴)の2つの視点を取り入れた小学校教員に対する英語発音向上マルチメディア教材の開発とその効果の検証である。小学校での英語活動の目的はコミュニケーションの素地を養うということであるが、その基本となる音声に関して、将来の英語教員を目指す学生及び、現在の小学校での英語担当教員に対して、習得困難で中心特性に関係する音声特徴は何かの観点で、発音を調べた。音声材料は、小学校の英語活動で使われる基本単語とTOEICなどで使われる文章である。音声は聞き取りと音響分析を行った結果、母音・子音とも発音が正確ではないところがある。1. /l/・/r/の区別、2. 摩擦音の変換、 3. 摩擦音の弱化、 4.閉鎖音の無帯気化、5. 母音の長さ、 6. 単語、複合語、フレーズ内でのストレスの不備、7. 単調なリズム、の7点である。そのうち、特に中心特性にかかわるものは、1・3・4・5・6で、これらの音声の不正確さは、内容の理解に大きく影響されることが明らかにされた。特にそれらの間違いが文章レベルであれば、「部分的にはわかりにくいが、理解できる」という「通じやすさ」であるが、単語のみの判定では、特に語頭の 1. /l/・/r/の区別、2. 摩擦音の変換、さらに母音の質などの誤発音はまったく別の単語理解になることがわかった。 それらの実験結果をもとに、マルチメディア教材を開発している。マルチメディア教材は文字、音声、英語母語話者の口元のビデオを提示しており、学習者がクリックすると必要情報が提示される。さらに、音声の「正確さ」と「通じやすさ」についての重要度の表示がある。今後は、それらの普及に努めるため、インターネットでの配信、教員対象のワークショップに繋げていく予定である。
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