研究課題/領域番号 |
23501133
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
皆川 洋喜 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (00273285)
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研究分担者 |
西岡 知之 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (70310191)
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (80310192)
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (60291853)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 聴覚障害 / 情報保障 / 字幕 / 要約筆記 / 音声認識 |
研究概要 |
聴覚障害者が同席する講義および会議の場面を想定した、次のような字幕情報保障システムを設計・開発した。システムは、クライアント・サーバシステムとして実現している。(1)クライアント:タブレット端末(Android)に開発したクライアント・ソフトウェアを実装した。聴覚障害者のための字幕データとしてテキストデータをサーバから受信し、端末画面に表示する。聴覚障害者は表示された字幕テキストにより情報保障を受けることができる。しかし、音声認識等の場合には誤認識・誤変換により字幕が間違って表示される場合がある。その場合には、他の健聴の参加者が表示画面の上から手書き文字や図形、スタンプなどを書き込むことにより適宜修正することができる。書き込まれたイメージはサーバに送信し、さらにサーバより再配信され、聴覚障害者や他のユーザと画面を共有することができる。(2)サーバ:サーバ・パソコン上に、開発したサーバ・ソフトウェアを実装した。PC要約筆記者による入力、または音声認識ソフトウェアによりテキスト化された文字データを、各クライアントに配信する。さらに、各クライアントから送信されたイメージデータを受信し、各クライアントに再配信する。各クライアント端末を、聴覚障害者を含む全参加者が使用し、発言者の音声が音声認識等によりテキスト化された字幕に対し、誤り修正や補足説明等を健聴者が書き加えたり、聴覚障害者が手書き入力により随時質問をすることができる。これにより、聴覚障害者が講義や会議の場面で、字幕による情報保障に加えて、他の参加者から適宜補足説明を受けたり、質問を投げかけたりすることができ、従来には無いインタラクティブな情報保障を実現できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、字幕情報保障システムのプロトタイプを設計・開発し、システムが正しく動作することを確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
実際に聴覚障害者が同席する講義および会議の場面を想定した評価実験を行い、システムを聴覚障害者に使用してもらい評価する。評価実験の様子は映像としてデジタルビデオカメラに記録し、ビデオサーバに保存し、各研究分担者が自由に閲覧・分析できるようにする。また、システムの設計・開発および評価についてまとめ、国内外の研究会で発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
計画していたシステム評価のための映像記録用機材が未購入であったため、「次年度使用額」をこれに充てる。さらに、システムの評価のために必要な、記録用機材および記録メディア、実験協力者への謝金を研究費により充当する。また、国内外の研究会での発表に必要な旅費を研究費により充当する。
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