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2011 年度 実施状況報告書

CALLを活用する英語教育総合システムの高度化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23501135
研究機関千葉大学

研究代表者

土肥 充  千葉大学, 言語教育センター, 准教授 (00323428)

研究分担者 山田 恒夫  放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (70182540)
高橋 秀夫  千葉大学, 言語教育センター, 教授 (30226873)
竹蓋 順子  大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00352740)
与那覇 信恵  文京学院大学, 教職課程センター, 助教 (30522198)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードCALL / 英語教育 / システム評価
研究概要

本研究は英語コミュニケーション能力の効率的な養成のためのCALLシステムについて、その導入の効果を分析し、CALLを含む英語教育総合システムにはどのような要素が必要とされ、どのような組み合わせが最適であるかを探求することで、総合システムのなかのCALL について、全国の教育機関で効果的に活用できる汎用性の高い具体的な教育モデルを構築し、我が国の英語教育の抜本的な改善に貢献することを目指している。 計画初年度の平成23年度は、以下の方法によりCALLシステムの使用状況とその成果および問題点について大規模な情報収集を行うことができた。 まず、CALLによる英語教育を実践する全国の研究者や教員に協力を依頼し、CALLシステムの活用状況について情報を収集し、CALL授業後のアンケート調査を依頼した。各教育機関のアンケートデータを収集した結果のうち、過去11年、11,682名分の39項目におよぶ5段階評価結果を「コースウェア」「ソフトウェア」「語彙指導」に分けて分類し、項目間のクロス集計を行うなどして分析した結果について論文を執筆した。さらに、研究代表者・分担者・協力者も含めて延べ65名が集まり「千葉大学CALLシンポジウム」を開催し、講演、研究発表、パネルディスカッション、システム紹介、指導実践についての相談会、意見交換会を行った。上記は主として国内の成果についてであったが、これを補足するために、図書や研究論文等による資料収集も行った。既存の多数の開発済CALL教材のうちの一部について Windows XP で動作して Windows 7/Vista で動作しないものがあり、技術的検討を加えて、外注によりソフトウェアを改善することに成功し、今後も学生や教員によるシステム評価に供することができる見通しがついた。 以上の実績に基づき、あと2年の研究をさらに発展させる計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

震災による予算交付の遅れにともない、本研究で重要な位置を占める研究集会の開催計画も遅れ、招待したかった教員・研究者で都合がつかない場合もあったが、それでも年度内の3月に「千葉大学CALLシンポジウム」を無事開催し、CALLシステムの活用事例と成果について、活発で有意義な情報交換をすることができた。 これと並行して、全国の多数の教育機関からCALLシステムのアンケート評価等のデータが集まり、年度内に論文公刊や研究発表を行うことができた。 学習者の評価が高いにもかかわらず Windows XP にしか対応していなかった一部CALLシステムを Windows Vista/7 に対応させることが長年の懸案であったが、所期の目的を達成することができ、今後ますますの発展が期待できる。しかし、パソコンの環境によって一部不具合が生じる場合もあり、また1年以内に Windows 8 の発売が予想され、今後の対応が必要である。

今後の研究の推進方策

平成24年度もCALLシステムの活用と評価について、全国の教員・研究者と情報交換をすることを考えているが、一年間に一度の研究集会を開催するだけでは招待したい人が来られない可能性があるため、研究代表者や分担者が出張して情報収集する可能性も検討する。また、すでに情報交換を進めている教員・研究者についても、継続的に連絡を取り合い、科研費による研究終了後もシステム開発や評価の共同研究が行えるような体制の構築を目指す。 平成23年度の成果をもとに、さらにCALLのシステム評価に関するデータ量を増やし、質的にも分析をより詳細に多角的に行えるように努力を継続する。平成23年度は5段階評価のアンケート結果の分析を大量に行ったが、これを継続するとともに、自由筆記のアンケート結果の分析や TOEIC 等のテスト結果の分析も始める。 技術面においては、インターネット上のサーバーに動画を置いたり、映画DVDを使用したりして、多様なCALLシステムの開発を進めてきたが、Windows 8 の発売にともない、新たな対応が必要となる可能性があり、検討と改善を加えることも重要な課題である。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は震災の影響で予算交付が遅れたことにより研究集会の計画立案も遅れた。また、研究集会に招待する予定であった遠方の教員・研究者の都合がつかない場合が多数あった。その一方で、旅費を使わなくても関東近県から多数の教員・研究者がシンポジウムに集まってくれた。このような理由により、23年度の旅費の使用額は予想より少なかった。平成24年度はさらに旅費を使うことによって、遠方の教員・研究者を招いたり、研究代表者や分担者が出張したりし、情報交換の規模をより拡大する。 平成23年度の当初計画では、学習者の評価が高いにもかかわらず Windows XP にしか対応していなかった一部CALLシステムを Windows Vista/7 に対応させるため、新規に Windows 7 のパソコンを購入して、ソフトウェアの改善をする予定であった。しかし、別予算で購入した Windows 7 のパソコンでその目的が達成できたため、今年度でのパソコン購入は次年度に延期し、平成24年度中の発売が見込まれる Windows 8 のパソコンを新規に購入して、システムの対応状況を調査し、必要に応じて技術的検討を加えてソフトウェアの改善を行う。 順調に全国からアンケート結果等のデータが集まっているので、平成23年度は謝金によって入力と分析を行ったが、平成24年度も同様に謝金を使って研究を継続する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 千葉大学CALL英語履修者によるシステム評価結果の予備的分析(2)2012

    • 著者名/発表者名
      土肥充、竹蓋幸生
    • 雑誌名

      言語文化論叢

      巻: 第6号 ページ: 69-86

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 異文化理解を目指した英語聴解力養成用CALL教材の開発2012

    • 著者名/発表者名
      高橋秀夫,土肥充,Sarah Morikawa, Scott Bower, 竹蓋順子,与那覇信恵
    • 雑誌名

      言語文化論叢

      巻: 第6号 ページ: 41-52

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 英語初級学習者のための語彙力養成用CALL教材の開発2012

    • 著者名/発表者名
      桑原市郎,高橋秀夫
    • 雑誌名

      言語文化論叢

      巻: 第6号 ページ: 53-67

    • 査読あり
  • [学会発表] クロスメディア・スマートメディア時代の外国語教育:学習コンテンツの 開発流通・利活用を再考する2012

    • 著者名/発表者名
      山田恒夫
    • 学会等名
      千葉大学CALLシンポジウム(招待講演)
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [学会発表] 三ラウンド・システムのCALL教材開発2012

    • 著者名/発表者名
      高橋秀夫
    • 学会等名
      千葉大学CALLシンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [学会発表] 千葉大学のCALLによる指導実践2012

    • 著者名/発表者名
      土肥 充
    • 学会等名
      千葉大学CALLシンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [学会発表] 三ラウンド・システムによる英語指導の回顧と展望2012

    • 著者名/発表者名
      竹蓋順子、阿佐宏一郎、行田勇、桑原市郎、松藤薫子、水町伊佐男、与那覇信恵
    • 学会等名
      千葉大学CALLシンポジウム(招待講演)
    • 発表場所
      千葉大学
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [備考]

    • URL

      http://f.chiba-u.jp/about/plc06/plc06-06.pdf

  • [備考]

    • URL

      http://english-chiba-u.jp/sympo201203/

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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