研究課題/領域番号 |
23501135
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
土肥 充 千葉大学, 言語教育センター, 准教授 (00323428)
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研究分担者 |
山田 恒夫 放送大学, ICT活用・遠隔教育センター, 教授 (70182540)
高橋 秀夫 千葉大学, 言語教育センター, 教授 (30226873)
竹蓋 順子 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00352740)
与那覇 信恵 文京学院大学, 外国語学部, 助教 (30522198)
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キーワード | CALL / 英語教育 / システム評価 / 国際情報交換 / 中国 |
研究概要 |
本研究は英語コミュニケーション能力の効率的な養成のためのCALLシステムについて、その導入の効果を分析し、CALLを含む英語教育総合システムについて、全国の教育機関で効果的に活用できる汎用性の高い具体的な教育モデルを構築し、我が国の英語教育の抜本的な改善に貢献することを目指している。 計画2年目の平成24年度は、以下の方法によりCALLシステムの使用状況とその成果および問題点について大規模な情報収集を行うことができた。 まず、前年度に発表したCALL授業後のアンケート調査分析結果に引き続き、他の教育機関における指導例およびアンケート調査結果の収集と分析も引き続き行っている。また、前年度の「千葉大学CALLシンポジウム」の続編として「長崎大学・千葉大学合同CALL研究会」を開催し、三ラウンド・システム以外の方法によるCALLシステムの開発者を招き、講演、研究発表、自由討論会/意見交換会を行うことができた。さらに、別予算を使用して来日した中国のCALL研究者と千葉大学工学研究科の研究者を招いて「千葉大学言語教育センター講演会」を開催することもできた。Windows 8 が発売されたことに応じて、タッチパネル式パソコンも含む複数のパソコンで既存のCALLシステムが Windows 8 上でも稼動するかどうかを検証した。CALL以外の学習者も含めた英語学習の成果を調査するため、TOEIC, TOEIC Speaking/Writing Tests, TOEFL の受験者延べ2万人以上の結果分析も開始した。 以上の成果も踏まえて、あと1年の研究を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は研究集会を1回行う予定であったが、当初の計画に加えて、別予算で来日した中国の研究者を招いた研究会を1回開催することにより、計2回の研究集会を開催し、海外の視点も交えたCALLについての情報交換をすることができた。 研究の進展や遅れとは異なる次元の問題ではあるが、既存のCALLシステムを Windows 8 で試用したところ、システムの一部が動作しないことが判明した。あと1年の研究期間中に解決できるかどうかは不明だが、今後の課題が残った。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年である平成25年度は大規模な研究集会を開く予定はないが、今後の英語教育の改善のためには研究者集団による共同研究が必要であり、過去2年の研究集会に招くことができなかった研究者を招くか訪問することによって、さらなら情報交換を進めたい。 これまで継続してきたアンケート調査に加え、TOEIC, TOEIC Speaking/Writing Tests, TOEFL 等のスコアも収集し、さらには図書や研究論文からもCALLの事例研究と成果の収集を行い、3年間の研究成果をまとめる予定である。当初は国内の研究成果を国内で発表する予定であったが、すでに国際学会での研究発表の申請が認められているため、イギリスに出張して共同で研究発表を行う。 開発済CALLシステムの一部が Windows 8 で稼動しない問題が判明したため、専門技術者の協力を得て、あと1年で技術的改善が可能であれば対応を行うが、対応ができなかった場合は今後の課題としたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度への繰越金が発生した主な理由は、(1)研究集会に招待したかった複数の研究者の都合が合わず出張旅費の使用額が予想を下回ったことと、(2)後述するように次年度は当初計画していなかった海外出張およびシステム外注の費用が必要になる可能性があり、予算を多く残しておくために使用額を節約したことの2点である。 これまでのCALLのシステム開発や成果について他の研究者と情報交換・意見交換をするために、旅費を使った国内出張を予定している。また、国際学会での発表のために、イギリスへの海外出張も行う。アンケート結果や TOEIC 等のテスト結果の入力や分析のために、謝金を使った研究も継続する。最新の研究成果の収集のために図書も購入する。 Windows 8 にシステムの一部が対応できていない問題については、技術的検討を加え、可能であれば外注によってシステムの開発も行う。 さらに予算が捻出できれば、他の研究で開発された Macintosh や Android での三ラウンド・システムのCALL教材の成果の検証のために、タブレット端末等も購入することも検討する。
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