研究課題
本研究では、PISA型学力や学習成果の活用力を育成するために、教科目標に含まれながら明確な指導がされてこなかった「見方・考え方」の指導法を確立し、それを教師教育に結び付ける方法論の開発を行った。具体的には、①仮説となる学習者モデルの作成、②モデルに基づく指導法の定式化とeラーニング教材の開発、③教材を用いた授業実践、④実践結果に基づくモデルや指導法の改良、⑤以上の成果を教師教育に結びつけるために模擬授業ゲームの設計と試作を行った。①については,Bruer(1993)のアイデアを参考に,学習成果を日常の問題解決に活用するには、領域固有知識・見方・考え方・問題解決スクリプトの適切な習得と活用が必要であるとする学習モデルを提案した。②については、数学の課題学習、理科の科学技術コミュニケーションや探求活動、教科「情報」のマルチメディア制作などで、教材の設計フレームワークと具体的なeラーニング教材を開発した。③として、それらを用いた授業実践を行い、開発した教材は、各教科の学習成果が日常生活の問題解決に役立つという意識を高めたり、その教科を学ぶことへの関心・意欲を高めたり、さらには、実際に問題解決する力を高めたりする効果があることを確認した。④として、システムログに基づく対話過程の分析を行い、教材設計フレームワークの改良すべき点や詳細化すべき点を検討した。特に、明示的に見方・考え方を示し、活用させることや、それらを活用させる時のヒントの出し方などについて検討した。⑤として、学習者モデルを導入した模擬授業ゲームの設計を行い、学習者モデルの要素だけでなく、動作に必要な指導案データや教授行動スクリプトなどの記述方法について検討した。⑤については、システムの実装や模擬授業ゲームの効果検証などについて、平成26~28年度の科学研究費補助金の助成を受け、さらに発展的な研究を行う計画である。
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