研究課題/領域番号 |
23501148
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
森川 修 鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (20252885)
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キーワード | e-ラーニング / 入学前教育 / 学力把握 / プレースメントテスト / リメディアル教育 |
研究概要 |
本研究は,鳥取大学における大学入試センター試験を課さない入試区分であるAO入試,推薦入試Iでの合格者全員に対し,大学入学までに入学前教育として実施しているe-ラーニングの状況を調査し,学習習慣の継続のためにe-ラーニングが有効であることを実証し,その効果的な利用方法を見出すことが目的である. 本年度は,平成24,25年度入試入学者の入学後の成績とe-ラーニングの実施状況について調査した.その結果,一定のペースで学習をしたり,期限までにすべての課題を終了させた学生は,入学後の成績が良好であった.これは,1年生である平成25年度入学生に限らす,2年生となった平成24年度入学生も同様の傾向が見られた.逆に,e-ラーニングの開始が遅く,課題を終了させていない学生は,前者と比較すると成績が悪かった.このことから,入学前教育として実施したe-ラーニングは,学習習慣の継続に大きく寄与し,さらに,その効果は1年以上経過してもみられると判断できた. 平成26年度入試合格者も,昨年度以前と同様,合格時の学力把握と大学入学までに入学前教育としてe-ラーニングを実施した.まず,合格時の学力把握として,該当者61名に対し,プレースメントテストを実施した.実施科目は,これまでと同様,英語と数学は全員に行った.それ以外に学部学科の指定,もしくは,受講生の希望により国語,理科(物理,化学,生物の1科目)のいずれかを行った.英語の結果については,テスト直後に返却し,他の科目は,実施後1ヶ月以内に本人に返却するとともに,入学後に所属する学科の担当教員(チューターなど)に情報提供を行った. さらに,e-ラーニングの実施において,プレースメントテストの結果により,英語では難易度を3段階に分けて課題を実施させた.基礎学力の不足が懸念される合格者には,中学程度の英語から行い,リメディアル教育としての役割を担った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で平成25年度までの実施項目は,平成24年度,平成25年度入学生の入学前教育(合格時のプレースメントテストとeラーニング),入学直後の学力把握と1年次終了まで(平成24年度入学生は,2年次終了まで)の成績把握,および,平成26年度入学生の入学前教育を実施することとしていた.これらのすべての項目を実施し,e-ラーニングの実施状況のデータ以外は,すべてのデータが得られて.eラーニングの実施状況のデータだけは,e-ラーニングのシステム(コンテンツ)製作会社より,平成26年4月に納品されることとなっている. したがって,平成25年度までの達成度は,「おおむね順調に進展している」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今後も計画通りに研究を実施し,データの蓄積を行う予定である.また,本研究費の助成以前の平成20年度入学生から行っている入学前教育におけるデータや在学時の成績との比較に加えて,さらに所定年次で卒業しているかについても分析する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度終了時に17,051円の繰越金が生じたが,AO入試合格者の人数が募集人員を下回ったため,e-ラーニングシステム利用金に差異が生じたためである. 平成25年度はプレースメントテストの費用は,研究代表者の研究費を利用しており,それを本研究費を利用することで,繰越金を含めた計画的な予算執行を行うことができる.
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