研究課題/領域番号 |
23501151
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉田 敦也 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (50191573)
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キーワード | ICTリテラシー / 成人 / モバイルインターネット社会 / 標準化 / 海外訪問調査研究 / モデル化 / 学習プログラム開発 / 制度設計 |
研究概要 |
本研究の目的は、急速に進行するモバイル/インターネット社会における成人ICTリテラシーの現状と国際的動向について、地域人 材育成の立場から研究を行い、地域再生/活性化に貢献する地域ICTリーダ育成に効果的な学習プログラムのあり方と標準化について 検討するものである。 平成24年では、平成23年度に引き続き、(1)ICT利活用のための学習プロ グラムや資格制度等について国際比較に関する聞き取り調査(2年度にわたる調査の一部)を実施した。 海外訪問調査においては、昨年度同様、ICTリテラシー関連の学習プログラムや資格制度等の運用実態について資料収集と面談調査を実施した。 訪問先はアイルランド(ダブリン)、英国(ロンドン、マンチェスター)、米国(ポートランド、サンフランシスコ、シカゴ、クリーブランド)の3カ国7地点。主な訪問先であるアイルランドでは、ダブリンシティ大学の応用言語文化学部アジア研究コースの笹本講師、ILP異世代交流型学習センターのCathy Fowley博士などを訪問し、ECDL/ICDLの状況、市民や大学生のICT利活用に関する資料収集を行った。米国では、ポートランド州立大学の都市/公共問題学部の特任教授スティーブ・ジョンソン博士、 コミュニティ地理プロジェクトコーディネータ メグ・メリック博士などを訪問し、まちづくり、社会変革などの領域におけるICT活用の状況と効果についてインタビュー調査を実施した。。サンフランシスコベイエリアのシリコンバレーでは、インキュベーターPlug and Play Tech Center、コミュニティラボBioCurious、Innovation Matrix社、鹿児島大学北米教育センター、シカゴではイリノイ工科大学デザイン研究所の佐藤啓一教授、クリーブランドでは客員研究員の八木陽一郎教授などを訪問し、聞き取り調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度において、研究開始直後に30%カットの指示があり計画の修正を余儀なくされたが、その指示がさらに撤回され当初計画に戻ったことから予定どおりに進行できなかった。その遅れは取り戻しつつあるが、本年度においてもさらに若干部分を最終年度にまわした。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、当初予定どおりに進行する。25年度は特に(1)ICT利活用のための資格制度のモデル開発、制度設計、学習プログラムの基本要素、構成、内容の具体化、キーコンピテンシーとの対応付けなどを行う。(2)ICTリテラシー資格の試行、そのための学習プログラムの試験的利用を行う。この際、調査対象について当初計画に若干の追加または修正を行い、東北被災地の住民ならびにシニアネットを対象に含める予定としている。(3)昨年度に予定していた部分として、現行ICT資格の利用の意識と期待に関するアンケート調査を実施する。(4)国際比較のための海外訪問聞き取り調査も予算の範囲で継続する。対象予定地は、オーストラリア、シンガポール。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度より持ち越した調査研究を加えて当初予定どおりに進行する。研究費の主な使途は、ICT利活用のための資格制度のモデル開発、制度設計、日本国内での試行実験、アンケート調査、海外訪問調査(オーストラリア、シンガポール)などである。国内での試行実験などについては、調査対象として、当初計画に若干の追加または修正を行い、東北被災地の住民ならびにシニアネットを対象に含める予定としている。そのため、国際旅費として計画していた予算の一部を国内旅費に割り当てる。また、海外調査に関しては、円安、航空運賃、サーチャージ等の値上がりなどから、予定通りの渡航が困難となることも想定されることから、その場合は、状況に応じて、研究の完成に影響ない範囲で、調査対象国の数を減らすことを検討している。
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