平成25年度は、新任教員が自らの視点から録画した授業映像をもとに,指導教員とともに授業を振り返ることによって,2回目の授業での視線の向け方やリフレクション内容がどのように変化するかについて検討することを目的とした。 研究協力者は,教職1年目の小学校新任教員1名とその指導教員1名の計2名であった。1回目の国語の授業を録画し,その後リフレクションを行ってもらった。授業録画にあたっては,①授業者の頭部にアイカメラを着け、授業者の視点から授業を録画した,②指導教員には授業を参観してもらった。その後のリフレクションでは,授業者視点の映像を提示し,授業者の教員と指導教員が一緒に,授業者の視線の向け方を中心に、リフレクションを行った。リフレクションの内容はICレコーダーに録音した。1週間後に同様の手続きで2回目の授業とリフレクションを実施した。 ICレコーダーの録音内容をもとに逐語録を作成した。その結果,指導教員は,授業を振り返る際の着目点,当該教員の視線の向け方の特徴や癖について気づいたことを助言した。新任教員は,その助言に従って,リフレクションを行った。 また,授業者視点映像については,1秒単位で視線の向きや移動を観察記録した。 観察カテゴリーは,①特定児童,②机間指導中の児童,③広範囲の児童,④黒板,⑤教卓,⑥その他,⑦移動中の視線,の7カテゴリーであった。その結果,1回目の授業では,①授業者の視線はほとんどの場合,教室の右側から左側へ移動する傾向があること,②教室左側の列の児童にはあまり視線が向けられないこと,③広範囲の児童を見るときの視線の動きがkなり速いことなどがわかった。そうした傾向は2回目の授業である程度改善された。
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