研究課題/領域番号 |
23501154
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中川 祐治 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (20227755)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 受講者観察システム / eラーニング / 教育工学 |
研究概要 |
受講者観察システムを実用化するための実験環境を構築し、システムを構成する各種アルゴリズムの実行時間計測を行なった。主なアルゴリズムとして、映像信号入力、目領域の切り出し、エッジ検出、円構成ピクセル抽出、黒目中心座標検出、サッケード検出がある。この中で特に、目領域の切り出しが最も計算コストが高く、全体の動作時間を律速していることが分かった。実際には、読書時に顔の動きがあった場合、目領域を抽出するためにテンプレートマッチングが実行され、ビデオレート(33ミリ秒)をはるかに越えてしまう。これまでに、単純な計算ならばGPGPUを用いる事で10から100倍の計算速度となることがすでに報告されている。そこで、テンプレートマッチングをCPUではなく、GPGPUによる並列処理に置き換えて高速化できるかどうかを模索した。その結果、テンプレートマッチングの動作が数十パーセント高速になることが確認できた。しかし、これは我々が必要とするビデオレート以内での動作には十分ではなく、さらに改善が必要である。この主な原因は、ビデオカメラから入力されたビデオ映像がCPUのメモリーからGPGPUのメモリーへ毎秒30回転送されるため、実際の計算時間よりもメモリーへの転送時間の方が長くかかってしまい、結果として計算速度が上がらないためと考えられる。また、各アルゴリズムで想定しない事象によるエラーが発生した場合の対処を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
テンプレートマッチングの高速化は平成24年度の計画であったが、実験環境を構築することができたので、GPGPUによる高速化に着手することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発されたすべてのアルゴリズムを搭載した実験システムを構築すると共に、テンプレートマッチングにおけるGPGPU利用時のメモリー転送方式を改善しビデオレートでの実行を目指す。また、計画通り、ユーザへの通知方法の確立を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、高機能になったGPGPUを数種類購入し、実行速度を計測する。旅費は、関連研究会における発表および資料収集に用いる。謝金・人件費は、システムの動作確認のための被験者への謝金に用いる。その他は、研究会資料や文献購入にあてる。
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