研究課題/領域番号 |
23501154
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
中川 祐治 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (20227755)
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キーワード | 受講者観察システム / eラーニング / 教育工学 |
研究概要 |
受講者観察システムにおいて、学習への集中度を最終的に決定するためのサッケード有無の判定に統計的手法を導入することで実現した。その結果、連続して約3分の計測を行なえば、信頼度90%でサッケードの有無が判定できることが分かった。この判定を行なうには眼球運動の横方向遷移を解析する必要があり、眼球中心の横方向座標を位置と時間の2次元空間内にプロットし、サッケードが起こっていることを判定できる特殊なフィルタリング処理を施すことで実現できる。この成果は電子情報通信学会「教育工学」研究会で発表した。 また、上記と平行して、受講者観察システムのAndroidタブレットへの移植を試みた。これに関して行なった主な事は、受講者観察システムを記述しているC言語からAndroidタブレットで実行できるJava言語への変換と、カメラからの映像入力をOpenCVライブラリーからAndroidへの変更である。これらの変更を行なった結果、Java言語で記述された受講者観察システムはCPU速度の頭打ちによりビデオレート(33ミリ秒)で実行することができず、Androidタブレットの機能向上を待たなければ実用化は難しいことが分かった。しかし、Androidの後継OSと見られているTizenを搭載したタブレットが平成25年度に市販される予定であり、TizenではC言語によって記述されたプログラムを、そのまま実行することが可能とされており、今後これを確認することが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本システムは、当初ノートパソコンでの実用化を目指していたが、AndroidやiOSを搭載したタブレット端末が急速に普及し、これらの小型端末での実装が必要となってきた。そこで「研究実績の概要」でも述べたようにAndroid端末での実装を試み問題点の洗い出しを行なう事ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に発表されるTizen搭載のタブレットを入手し、小型端末での受講者観察システムの実現を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、Tizenタブレットを購入する。 旅費は関連研究会や学会での発表と資料収集に用いる。 謝金・人件費は、システムの動作確認のためのい被験者への謝金に用いる。 その他は、研究報告書の印刷製本、研究会資料の購入にあてる。
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