前年度の研究より、学習への集中度の測定に統計的手法を導入した結果、約3分の連続計測を行なえば、信頼度90%でサッケードの有無が判定できること分かったが、この測定時間を短縮するために、黒目を円と仮定し、画像中から円候補を探索する「全方向微分フィルタ」を開発した。全方向微分フィルタとは、画像中から半径rの黒円を直接検出するためのフィルタであり、画像中のノイズの影響を受けにくく、安定して黒円を検出することができる。このフィルターは計算量が大きいものの、検出精度が高く、アルゴリズムを最適化することで将来的に受講者観察システムに適応可能と考える。また、これと平行して、顔画像から目領域を検出するためのテンプレートマッチングの動作回数を減少させることで、計算時間を削減する手法についても成果を得た。
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