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2011 年度 実施状況報告書

ロービジョン適応型e-ラーニングシステムの構築に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 23501155
研究機関愛媛大学

研究代表者

川原 稔  愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 准教授 (50224829)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードロービジョン / 視覚特性 / 情報デバイス / ユーザビリティ / 視標
研究概要

視覚に障がいをもつロービジョン者がe-ラーニングを活用して知識やスキルを効果的に習得できるようにするためには,学習管理システムの機能要件,通信品質,ユーザインタフェースの最適化,コンテンツ構成法といった要素技術を確立して総合的にe-ラーニングシステムを構築する必要がある.本研究は,ロービジョンに適応したユーザインタフェースの最適化に焦点を当て,コンピュータの一般的な周辺デバイスのみを用いてロービジョンの視覚特性を捉え,取得した視覚特性に最適化された入出力制御を行なうことにより,ユーザビリティを高めるような要素技術を確立することを目的とする. 本年度は,ロービジョンの見え難さをe-ラーニングシステムのユーザビリティに影響を与える視覚特性パラメータとして同定し,実際の症状が理解できないまでも共通の指標を共有することで,ユーザビリティを高めていくという手法を取った.特殊な入出力デバイスを用いるのでなければ,情報端末の周辺デバイスとして一般のe-ラーニングシステム利用者は,ディスプレイや携帯端末等の表示デバイスを出力デバイスとして用い,キーボードやマウス,タッチパネル等を入力デバイスとして用いると考えられる.よって,本研究で扱う視覚特性は,一般的な表示デバイスによる視刺激を与えてその反応により捉える手法を取り,以下に述べる方法で視覚パラメータを同定し,効果的で正確な計測法を併せて研究開発した. 本研究の成果である視覚特性計測手法では,医療機器に匹敵する正確な視覚特性を計測することが可能であることが実証された.しかも,将来計画であった視覚異常の発見についても,検証実験の過程で達成できていることが確認され,ロービジョン適応ばかりでなく,ロービジョン予備群に適応できるなど,幅広い活用ができるものである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本年度の目標は,ロービジョンの視覚特性を正確に把握することとし,計測手法の研究開発に重点を置いていた.研究成果として,正確に視覚特性を把握可能である理論的裏付けをもつ視標の開発に成功し,医療機器に匹敵する計測が一般に普及しているディスプレイ等の情報デバイスで可能となった.そればかりでなく,実証実験の過程で本人に自覚がない被験者に視覚異常があることを発見し,本手法により視覚障がいの発見が可能であることも証明された.現在,特許出願3件を準備しており,現時点では学会発表できない状況であるが,本年度中に公開できる見込みである.

今後の研究の推進方策

本年度の成果を踏まえて,より多くの被験者に対して検証実験を行い性能評価を行うと共に,視覚特性を同定するパラメータをデータベース化して精度を上げていく予定である.そして,eラーニングの実験システムに組み込んで,簡易に利用できる環境の構築を行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

多くの被験者からデータを収集するための謝金・旅費,および,実験システムを構築するための開発費に研究費を使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 情報端末に対するロービジョン視覚特性把握への取り組み2012

    • 著者名/発表者名
      川原稔
    • 学会等名
      立命館大学総合理工学研究機構グループ型研究プログラム「網膜回路と視覚応答制御のシステムダイナミクス解明プロジェクト」主催招待講演(招待講演)
    • 発表場所
      立命館大学
    • 年月日
      2012年3月23日
  • [学会発表] Webデザインが視覚障がい者のユーザビリティに与える影響についての一実証報告2011

    • 著者名/発表者名
      高橋信行・佐々木隆志・川原稔
    • 学会等名
      電子情報通信学会 教育工学研究会
    • 発表場所
      山口大学
    • 年月日
      2011年9月22日
  • [備考] 特許3件を出願準備中である.出願完了後に論文誌投稿予定であるため,論文誌掲載への遅れが発生している.

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公開日: 2013-07-10  

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