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2013 年度 実施状況報告書

学習コミュニティのソーシャル・キャピタルに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23501157
研究機関九州大学

研究代表者

多川 孝央  九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (70304764)

研究分担者 安武 公一  広島大学, 社会(科)学研究科, 講師 (80263664)
山川 修  福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (90230325)
隅谷 孝洋  広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (90231381)
井上 仁  九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70232551)
キーワード学習コミュニティ / ネットワーク分析 / 学習履歴情報
研究概要

今年度は、学習者のコミュニケーションの戦略と学習の成否の関係についてSNSの発言の履歴情報に基づく分析を予定していた。しかし、この分析の事前の理論的な検討、および、社会ネットワーク分析と学習共同体内部の他者の受容についての先行研究の調査により、「発言せずに閲覧する」行為も行為の成功と関係することがわかった。この側面については、明示的な発言の履歴から学習コミュニティのソーシャル・キャピタルを評価する分析手法によっては取り扱うことが出来ない。このため、閲覧という行為の視座から学習環境を評価する手法についての検討を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の研究計画では対象としていなかったコミュニケーションの側面を分析・評価の対象として取り込むこととしたため、研究計画を修正するとことなった。このため当初予定していた進捗に較べて遅れることとなり、今年度で終了するはずの研究計画を延長することとなった。

今後の研究の推進方策

今後は、授業の録画と書き起こし、あるいは、学習環境においてセンサ類を設置した履歴情報の取得と分析により、発話以外のコミュニケーションを含む分析を行う。
この分析においては、従来の「コミュニケーションを通じた協調活動」に着目し「ソーシャル・キャピタル」の目安としてきたネットワーク指標以外にも、閲覧行動の効果と係るネットワーク指標を特定し、閲覧行動の蓄積がどのように作用するかを考慮する必要がある。この、閲覧行動が学習にもたらす効果とネットワーク構造の関わりについては、社会学などの分野の概念によってどのようなものになるかを推測することができるものの、これは必ずしも実証されたものとはいえない。このため、今後、本研究において実データを通じた実証を試みることになると予想している。

次年度の研究費の使用計画

今年度は、学習者のコミュニケーションの戦略と学習の成否についてSNS等の発言の履歴情報に基づく分析を予定していた。しかし、理論的な検討や先行研究の調査を進めたところ、コミュニティの内部で積極的に発言せず閲覧を行う行為も、学習者当人およびコミュニティにおける学習の成功と関係することが重要であると判明した。このような行為については既に保有しているSNSの履歴のデータを元にしては充分に分析できない。このため今年度から来年度にかけて、授業や講習会の録画などを新規に行ない学習環境のデータを蓄積し、来年度に分析を行うこととした。また、これに備え、異なる種類のコミュニケーションがそれぞれ学習に及ぼす作用や相互の関係をどのように比較また評価できるかについて検討を行なった。以上のの研究計画の見直しに基づき、今年度の支出予定の金額の一部を、研究期間を延長し次年度に支出することとした。
次年度には、発言の履歴情報の分析に加え、教室における発話以外のコミュニケーションを含む分析を予定している。このために録画と書き起こし作業のために謝金を計上する予定である。また、研究成果を国内の学会・研究会で発表するために旅費を支出する。次年度に予定している研究内容は研究代表者がほぼ単独で行う予定であり、また、研究分担者らとの協議などが必要な場合についてはオンラインで行う予定である。このため、次年度に残された未使用額はすべて研究代表者で使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 複数のデータに基づく多面的な学習履歴情報分析について

    • 著者名/発表者名
      多川 孝央, 山川修, 安武公一, 隅谷孝洋, 井上 仁
    • 学会等名
      第29回日本教育工学会全国大会 (講演論文集 pp.71-73)
    • 発表場所
      山形大学

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公開日: 2015-05-28  

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