研究課題/領域番号 |
23501174
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
冨永 敦子 早稲田大学, オープン教育センター, 助手 (60571958)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | ブレンド型授業 / eラーニング / ピア・レスポンス / 文章表現授業 / ブレンド型指向性 / eラーニング指向性 / ピア・レスポンス指向性 / 確認的因子分析 |
研究概要 |
本研究では,eラーニングとピア・レスポンス(学習者が少人数グループで互いの文章を検討し合う活動)を組み合わせたブレンド型授業を実践する.本研究の目的は以下の3点である.1)授業形態に対する学習者の指向性を測定するための質問紙を作成する,2)学習者の指向性が文章表現能力にどのように影響するのかを明らかにする,3)学習者の指向性を考慮した,効果的なブレンド型文章表現授業を提案する.本年度(2011年度)は,授業形態に対する学習者の指向性を測定するための質問紙作成を中心に行った.(1)2009年度に行った予備調査をもとに,ブレンド型指向性質問紙・eラーニング指向性質問紙を見直し,ブレンド型授業の受講生560人を対象に調査を行った.探索的因子分析の結果,ブレンド型指向性として2因子「ブレンド型の両立性」「ブレンド型の面倒さ」,eラーニング指向性として4因子「無機的」「柔軟性」「孤独性」「効果的」が抽出された.確認的因子分析の結果,両指向性ともにモデルとしての適合性が確認された.なお,成果は日本教育工学会研究会および博士論文で報告した.現在,学会誌に投稿準備中である.(2)2010年度に行った予備調査をもとに,ピア・レスポンス指向性質問紙を見直し,ピア・レスポンスの参加者160人を対象に調査を行った.探索的因子分析の結果,ピア・レスポンス指向性として3因子「ピア親和性」「意見開示抵抗感」「意見受入不愉快感」が抽出された.確認的因子分析の結果,モデルとしての適合性が確認された.なお,成果は日本教育工学会研究会および博士論文で報告し,現在,学会誌に投稿中である.(3)文章表現技能に関するeラーニング教材を3日間の集中講義用に見直し,X大学の春学期および秋学期の文章表現の授業において用いた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2011年度の計画は,1)eラーニング教材の見直し,2)eラーニング指向性質問紙・ピア指向性質問紙の見直し,3)文章作成テストの作成,4)集中講義「文章表現授業」の実施とデータ収集であった.計画のとおり,集中講義用にeラーニング教材を見直し,「文章表現授業」を2回行った.また,集中講義では,質問項目を見直したeラーニング指向性質問紙およびピア指向性質問紙と,文章作成テストを使ってデータを収集した.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度(2012年度)は,2011年度に収集したデータを分析する.その成果については,研究会等で随時発表する.また,2011年度は実際の授業において,練習問題の第1稿についてピア・レスポンスを行ったが,2012年度は文章を書く前に,読み手意識を高めるためのピア・レスポンスを実験的に行い,その効果を検証する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
成果発表のための発表費および国内出張旅費が必要である.また,ピア・レスポンスの様子を撮影するためのビデオカメラ代,ピア・レスポンス中の会話の文字化費用,実験参加者への謝金,文章の評価作業の謝金が必要である.
|