研究課題/領域番号 |
23501175
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
市村 哲 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (30350507)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 教育工学 / 学習支援 / Eラーニング / モバイル / Android / 動画 |
研究概要 |
黒板の板書を用いた講義をE-ラーニング教材として提供できるようにすることが必要であると考え,これを目的とした研究を実施してきた.そして,講義収録映像からE-ラーニング用コンテンツを自動生成するシステムの研究開発を行っており,この中で,講師が板書をしながら黒板の前を歩き回るような状況でも,講師の姿を自動追尾して無人撮影できる講義自動収録システム「ChalkTalk」の研究を行なってきた.本研究課題においては,板書を用いた講義,または,電子プレゼンテーションソフトを用いた講義を映像収録し,その講義収録映像からE-ラーニング用コンテンツを自動生成するシステム,および,それら生成されたコンテンツを携帯端末において視聴できるモバイルシステムを構築することが研究の目的である.今後ますます利用者の拡大が期待できるAndroid搭載のスマートフォンやタブレットにおいて稼動するモバイル学習システムを開発することで実利用に耐えるシステムを構築し,これまでに実施してきた一連の開発成果の集大成としてまとめあげるのが趣旨である.平成23年度においては,ChalkTalkコアモジュールが提供している動物体認識精度,および,映像中の黒板の変化を認識して板書内容を特定する精度の向上を実現すると共に,Android版TalkCastの開発に着手した.Android版TalkCastの構築に関しては,PSP版TalkCastに実装していた主要機能のうち,講師動画映像の再生,板書静止画アニメーションの再生機能の実装が完了した.Androidが提供するマルチタッチUI等の優れた操作性を有効活用して使いやすいユーザインタフェースを提供することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度においては,ChalkTalkコアモジュールが提供している動物体認識精度,および,映像中の黒板の変化を認識して板書内容を特定する精度の向上,および,Android版TalkCastの全主要機能(講師動画映像の再生,板書静止画アニメーションの再生,演習問題出題)を実装することが目標であった.前者のChalkTalkコアモジュールの性能向上については,いままでAVCHD動画入力において正常な物体認識ができなかった問題を解消したり,デバッグ画像出力機能を実装して耐性を高めるなどの成果を得ることができ,目標を達成できた.後者のPSP版TalkCastの全主要機能をAndroid版TalkCastへの移植については,全主要機能のうち,講師動画映像の再生,板書静止画アニメーションの再生は実装完了したが,演習問題出題については一部未実装となっている.この未実装部分については,24年度前半期に実装完了予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に未実装となった演習問題出題機能については24年度前半期に実装完了予定である.また学習者や学習監督者が理解度や進捗を確認できるシステムの構築に向け,平成24年度および平成25年度は学習者用端末の機能として,学習者の映像視聴ログ,演習問題解答ログを記録・分析し,サーバーに送信できる機能を実装する.また,学習状況を管理するWebアプリケーションを構築し,学習者用端末からアップロードされたデータを管理できるようにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
計画書と変更なし.謝金の支払い対象となる大学院生のプログラム開発補助単価は1,600円/時であり,月単価は,1,600円/時間x 3時間/日 x 20日/月 = 96,000円/月 である.
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