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2011 年度 実施状況報告書

組み込み技術者教育用体験型演習システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23501177
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

兵頭 和人  神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (10271371)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード教育工学 / 制御工学 / 高速プロトタイピング
研究概要

様々な分野の知識を融合させてシステムの構築を行う組み込み技術者を育成する教育課程においては体験型実習科目や創成科目が非常に重要である。また、創成科目の効果を高めるためには、座学において実際の機器を用いた体験型演習を行い、創成科目と座学との連携を深める必要がある。座学において実際の機器を用いた体験型演習を行うためには、パソコン教室や実習室に設置されているような特別な設備を用いることなく、多様な計測・制御実習を実施可能な教材が必要である。 平成23年は、体験型演習システムの基本要素となる多様な演習用機材を短期間に構築するための再構成可能な計測・制御システム教材の開発を行った。開発した教材は、無線LAN搭載小型Linuxボードと再構成可能な多目的I/O ボードから構成されている。I/O ボードはPropellerチップ及び8チャンネルA/D変換チップによって構成されている。I/O ボードの主要部品であるPropellerチップは,8個の並列動作する32 ビットCPUコアによって構成されおり、ソフトウェアによって仮想的な周辺回路を実現することが可能である。計測・制御演習を実施するために必要となる周辺回路モジュールの開発を行い、同一のハードウェアで様々な科目に対応する教材を短期間に構築することを可能とした。 計測・制御に関わる情報処理演習を行うために、ブラウザーベースのプログラミング環境の開発を行った。開発したプログラミング環境では、携帯型端末(スマートフォン、携帯型ゲーム機)で動作するブラウザー上で計測・制御プログラムの編集及び実行結果の表示を行う構成としている。開発したプログラミング環境を用いることにより、一般的な教室における情報処理演習を実施することが可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた、ディジタル入出力演習、モータ駆動演習、角度制御演習を対象とした体験型演習を実施可能な学習教材及び情報処理演習環境の開発が完了している。

今後の研究の推進方策

学習した内容を定着させるためには、自宅での学習も不可欠である。自宅での学習を円滑に進めるためにはシミュレータの果たす役割が大きい。そのため、教員が学習計画に沿った多様なシミュレータを短時間で構築することを支援するシステムの開発を行う。 他の教育機関でも迅速かつ低コストでシステム構築を行うことを支援するための教材構築システムの開発を行う。同システムでは、体験型演習において必要とされる回路情報をGUIで設定を行うことにより、再構成可能な計測・制御モジュールの回路情報を自動生成を行う。 80名程度の受講者を対象とした体験型演習を実現可能とする演習用ネットワークシステムの開発を行う。 研究期間内で得られた成果(ソースコード、回路図、教員向けシステム構築資料(移植情報を含む)、体験型演習テキスト等)を発信するための準備を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は、自宅学習用の課題作成支援システムの開発及びアナログ回路演習への対応を行う。 自宅での学習を支援するためには、制御対象の挙動をシミュレートするシステムも必要であるが、シミュレータの開発には多くの時間が費やされる。そのため、教員が学習計画に沿った多様なシミュレータを短時間で構築することを支援するシステムの開発を行う。シミュレータ構築システムでは、教員が入力する制御対象の設計情報(ブロック図、システム方程式)から、携帯端末で動作可能なシミュレータアプリケーションを生成する。携帯端末ごとのアプリケーション実行環境が異なっている状況を吸収するために、同システムではブラウザー上で実行可能なシミュレータの生成を行う。 計測・制御システムを構成する上でアナログ信号処理も重要な要素技術である。平成24年度は再構成可能なアナログユニットの開発を行い、アナログ回路を題材とした体験型演習への対応を図る。 さらに、50名程度の受講者を対象とした体験型演習を実現可能とする通信モジュールの開発を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Development of Mechatronics Teaching Materials for Embedded System Engineer Education2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuhito Hyodo
    • 雑誌名

      Journal of Robotics and Mechatronics

      巻: Vol.23, No.5 ページ: 611~617

    • 査読あり
  • [学会発表] 組込技術者教育のためのメカトロニクス教材の開発 (第2報)2011

    • 著者名/発表者名
      兵頭和人
    • 学会等名
      日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’11
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山県)
    • 年月日
      2011年5月27日
  • [学会発表] ロボット制御システム学習環境の開発(第4報)2011

    • 著者名/発表者名
      兵頭和人
    • 学会等名
      第12回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      京都大学 吉田キャンパス(京都府)
    • 年月日
      2011年12月24日

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公開日: 2013-07-10  

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