研究課題/領域番号 |
23501183
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
吉根 勝美 南山大学, 経済学部, 准教授 (50230785)
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研究分担者 |
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80275148)
山住 冨也 名古屋文理大学, 情報文化学部, 教授 (90240001)
磯本 征雄 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (10029994)
長谷川 信 岐阜聖徳学園大学短期大学部, 生活学科, 准教授 (00514952)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 統計学 / レポート作成支援 / 対話形式 |
研究概要 |
本研究の目的は、問題発見・問題解決の訓練に特化したe-Learning「コンピュータ支援型論理思考訓練システム」を実現することにより、学士力の一部をなす問題解決能力・数理的スキル・創造的思考力の育成に寄与することである。問題発見・問題解決の訓練の具体例として、広い学問分野領域で活用されている統計学を、本研究では採用している。 この目的を達成するため、研究開発の4段階を以下のように設定した。第1段階は、創造的思考力を誘発する教育戦略構想の検討である。第2段階は、学習内容に関わる教材・資料のデータベースや学習支援方略に直結する知識ベースの構築である。第3段階は、学習支援方略のソフトウェア化とマンマシンインターフェイスの設計である。第4段階で、これらの有用性・有効性と限界を確認するための実証実験を行う。 本研究の中核をなす「コンピュータ支援型論理思考訓練システム」では、学習者とコンピュータとの間で、疑問詞による質問とキーワードによる回答を繰り返す対話形式による訓練を想定している。これは、学習者の問題発見に対する自覚や推論過程の認識を明確に意識させるためである。 平成23年度は、前述の研究開発の第1段階である教育戦略構想の検討と、第2段階である知識ベースの構築のための議論の材料として、実際の授業で提出されたレポートを分析し、データベース化した。このレポートの課題は、コンピュータを用いたデータ分析の授業で出題したもので、大型小売店における12か月分の販売額のデータに対して統計分析を施し、計算結果を説明させるものである。 レポートを分析した結果、正しく説明できている文については、いくつかに類型化することができたので、これを知識ベース構築のための基礎データとした。一方、説明が不十分な文を、キーワードをきっかけに、対話形式で正しい説明文に誘導するという指導方略を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要で述べたように、研究開発の第1段階と第2段階の基礎となる検討をし、システムの構想を立てることはできたが、それぞれの段階を完全には終えていないため。および、その影響で第3段階のソフトウェア開発が試作段階にとどまったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べた平成23年度の成果として確立した指導方略のソフトウェア化を中心に研究を進める。このことを通して、対話形式による指導の自動化手法を確立し、この手法を、思考訓練のためのインターフェースに発展させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は、ソフトウェア開発が試作段階にとどまり、その影響で主に人件費・謝金・その他の使用が当初の計画を下回ったため、次年度使用額が生じた。 平成24年度は、ソフトウェア開発が中心となるので、必要な物品の購入と研究発表のほかに、開発の打合せのための会議費、および開発に伴う人件費・謝金に研究費を使用する計画である。
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